2020年12月19日で引退…JR現美新幹線

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[場所]JR上越新幹線 越後湯沢-新潟

JR東日本の現美新幹線(GENBI SHINKANSEN)が2020年12月19日に引退する。
ということで、ラストランまであと1ヶ月と迫ったこのタイミングに紹介させていただく。

現美新幹線の日本海側サイド(上越新幹線基準)を11号車(東京方)寄りから眺めたトコロ。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
こんな時期での掲載になったのには訳があって、現美新幹線はいつか紹介しようと思ってかなり以前に車内の写真は撮ってあったのだけれども、まともな外観の写真が撮れなかったからになる。それは運転区間が通常は 越後湯沢⇔新潟 間と、走っている区間の駅が全て線路まで屋根で覆われているため、列車のサイドを障害物なくスッキリと撮れるトコロがなかったからだ。
そのような折りの2020年10月3日~4日に現美新幹線が上野駅までやってきてくれたため、望んでいた写真が撮れたので、この度紹介する運びとなった…ただし引退まであと1ヶ月(笑)。

先頭車には現美新幹線のロゴが入る。これは11号車日本海側サイドのロゴ。新潟駅。
現美新幹線は「世界最速の芸術鑑賞」というJR東日本のキャッチコピーが示す通り、車内には現代アートが展示され、まさに「走る美術館」(同)といえる。
越後湯沢⇔新潟 間を一般運行する現美新幹線に乗るためには12号車~16号車には通常の乗車券+新幹線自由席特急券で乗車できる。ただし11号車は指定席なので乗車券+新幹線指定席特急券での乗車になる。
まずは、そんな車内から見ていこう。

11号車。指定席。
12号車。
13号車。
14号車。
15号車。
16号車。
「現美」の名の由来は現代美術の略称とのことだ。
車輛は元秋田新幹線用E3系0番台R19編成で、川崎重工業車両カンパニーにて改造され、E3系700番台に改番して2016年4月29日より運用を開始した。
電車は外観もキャンバスと化し、側面に長岡花火をモチーフにしたアートが描かれている。
では外観を、日本海側サイド(上越新幹線基準)の東京寄りから先に眺めていこう。

11号車前頭部。新潟駅。
左16号車~右11号車。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
12号車。新潟駅。
13号車。新潟駅。
14号車。新潟駅。
15号車。新潟駅。
16号車のロゴ。新潟駅。
16号車の前頭部。新潟駅。
次は外観の、太平洋側サイドを新潟寄りから眺めていこう。

左11号車~右16号車。タイトル写真との連続撮影になる。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
左11号車~右15号車。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
左11号車~右14号車。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
左11号車~右13号車。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
11号車(東京方)寄りからの後追い写真。熊谷駅にて、2020年10月4日撮影。
現美新幹線の残る運転日は2020年12月19日までの土日祝日。
停車駅は越後湯沢・浦佐・長岡・燕三条・新潟で、運行時刻は、
下り
越後湯沢 08:24発 → 新潟 09:14着
越後湯沢 12:44発 → 新潟 13:38着
越後湯沢 15:20発 → 新潟 16:14着
上り
新潟 11:26発 → 越後湯沢 12:20着
新潟 14:02発 → 越後湯沢 14:56着
新潟 16:42発 → 越後湯沢 17:32着


筆者個人の発想になるが、現美新幹線車内のファニチャー類もこのまま電車の廃車と運命を共にしてしまうのかも、と思うと勿体ない気がする。筆者自身は「走る列車の車窓こそ最高のアート」と考えているので、E3系の中でも車齢の比較的若い車輛に、窓はそのままで、このファニチャー類を移植装備したら、新たなイベント列車(ジョイフルトレイン)が生まれるのではないかと思ってしまうが、いかがだろうか。

■12月20日にはツアー臨時列車
現美新幹線通常列車のラストラン日が2020年12月19日(土)と何かしっくりしない日に設定されているな、と思っている人も多いのではないだろうか。
コレは実は2020年12月20日(日)に現美新幹線車輛を使用した旅行商品専用臨時列車を組み入れた株式会社日本旅行新潟支店のツアーでラストラン運行をするからだ。ツアー名は「現美新幹線ラストランと北越急行車両基地・保守基地見学(日帰り)」(←詳しくはココをクリック)で、運行区間は 新潟⇔越後湯沢 になる。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。