静岡ホビーショー第59回…KATO篇

KATOといえば鉄道模型HOゲージ・Nゲージ車輌で定評があるが…この度はジオラマキットや情景材料に注目

[場所]ツインメッセ静岡

静岡県といえば「模型の世界首都」を名乗っている。その静岡市にあるツインメッセ静岡において「第59回 静岡ホビーショー」が2021年5月13日~14日の2日間、静岡模型教材協同組合の主催で業者招待日のみ開催された。このことは、2021年5月17日アップ「静岡ホビーショー…鉄道系展示巡り篇」で報じているけれども、その中で「出展メーカー名の末尾に『♥』が付いているブースに関しては、いずれ単独にて、不定期ながら紹介予定…」と予告してあったが、その流れでのブース展示品の中から、「KATO」(株)関水金属のジオラマ材料関係を紹介していこう。

ジオラマ材料関係の紹介…と上述したが、車輌の中でKATOオンラインショップ取扱いのこのHOゲージ1/76スケールのバックマン製きかんしゃトーマスとなかまたちの写真だけは、筆者の趣味で載せてしまおう(笑)。
なぜジオラマ材料の紹介になったかというと、「KATO」(株)関水金属(以後「KATO」と表記)といえば、鉄道模型HOゲージやNゲージで定評がある模型メーカーだが、その車輌モデルの方はKATOホームページの中で新製品情報が逐一伝えられていて、いまさらネタになってしまうので、この度はショーに展示されていた中からジオラマキットと情景素材に着目してみたからだ。

ジオラマ入門学習キット

KATOの情景材料のプランツ素材といえば、かつてでもターフ(現・ナノプランツ)やコースターフ(現・スモールプランツ)、フォーリッジクラスター(現・テラプランツ)などサイズが分かれていて、かなり充実していたイメージだったけれども、現在ではラインナップがさらに細分化されていることを、このショーで知った(汗)。まぁ筆者はジオラマの植林した山をここ2年くらい作っていないので、世の移ろいに付いていけてないのはあるだろうが(笑)。

ネットラック左と中下と右上はLandscape(樹木・植物)、中上はジオラマ入門キット、右下はTeerrain(地形)。

■ジオラマ入門キット
さて、この項の本題は上写真の真ん中のネットラックの展示品になる。
その左上に下がっているのが「ジオラマ入門キット」で、岩面、道路、樹木、川、緑のある景色を作るなどテーマ別に各編が揃った入門用キット。
詳しくは下記URLから。
ジオラマ入門キット | diorama-zairyou

■ジオラマくんとミニジオラマベース
右上の冊子のようなモノが「ジオラマくん」で、ミニジオラマキットと絵本が一緒になって販売されている。中にはミニジオラマ制作に必要な材料一式と接着剤が入っていて、付属の絵本を読み進めながら「川と橋のある風景」をNゲージにて再現できるセットで、他のミニジオラマと線路をつなげて遊ぶことができる。

中央上がジオラマくん。中央下左がミニジオラマベース直線線路、右がミニジオラマベース曲線線路。
ジオラマくんの箱を開けると、このようなモノが入っている。
ミニジオラマベースのパッケージの裏(説明書)側。
ミニジオラマベースの作例。
詳しくは下記URLから。
https://www.kato-dioramakit.com/about

情景用素材制作の実演をしていた…らしい

下写真のスペースでは情景用素材制作の実演をしていた…らしい。

情景用素材制作の実演をしていたと思われるスペース。
ここで「らしい」の語句を付けたのは、制作実演タイムに筆者が訪ねたタイミングが上手く命中しなかったからになる(泣)。
下の写真から推測するに、岩の着色と、「芝生の達人3」がある点から草はらの葉を立たせる実演を行なっていたと思われる。

奥左が芝生の達人で、その手前の壺が達人芝の雑草色。さらに手前はおそらく達人芝を立たせるトコロを見せてくれるハズのベースだろう。

■テレイン…地形を造る
岩などの地形を造ることをテレイン(TERRAIN)と呼ぶようになったらしい。筆者はまさに浦島太郎状態である。

着色が済んだ岩。
岩を眺めた限りでは、もぉ着色実演ショーは完了してしまった後のようだった。
詳しくは下記URLから。
https://www.diorama-zairyo.com/terrain

■グラスランド…草はら
上々写真の左奥に立っているのが芝生の達人マシーン。
左手前のベースに草の類が何も植わっていないトコロを見ると、こちらは実演前のようである。

作例展示で、奥左が水景に達人芝雑草色。奥右が水景にナノプランツ金糸雀?。手前は深雪+つらら+粉雪。
「芝生の達人3」は素材の達人芝や草はら糊などの使用により、稲・麦・ススキといった細く背丈のある草や農作物がピンッと立った姿を立体的に表現できるツールになる。市販の9V電池を使用して最大約11,000DVCの強力な電界を発生させ、草丈4mm以上の長い素材を立たせることが可能だ。
詳しくは下記URLから。
https://www.diorama-zairyo.com/diorama-shibahunotatujin-tatujinsiba

■ウォーター…水景
水景は、水の透明素材と水面のジェルが硬化するのに時間が掛かるので実演は無かったと思うが、作例が展示されていたので、その写真を載せておこう。

水景(Water)はさすがに完成後の作例の展示だった。
詳しくは下記URLから。
https://www.diorama-zairyo.com/blank-6

この項の情景用素材を組み合わせて造り上げた紅葉の渓谷に架かる上路アーチ橋梁のジオラマも展示してあったので、そちらの写真も載せてしまおう。

岩・樹木・水面の材料を使用した紅葉の渓谷のジオラマ。

KATO T-TRAK

T-TRAKの作品も1つ出展されていたので、それもお見せしておこう。

T-TRAKのダブルの作例。なお、背景の板は市販のT-TRAKボードには付いていない。
「T-TRAK」とは、Nゲージ鉄道模型レイアウトモジュールの世界的な統一規格で、KATOのNゲージユニトラックを使うことによって世界中のT-TRAKと接続が可能なジオラマボードのこと。線路の位置と列車が通過する条件の確保が出きていれば、どんな風景をどんなスケールで作ってもOKになっている。
ボードタイプはシングル308mm、ダブル618mm、コーナー363mm×363mmの3種類ある。
詳細は下記URLから。
https://www.t-trak.jp

KATO(株)関水金属
https://www.katomodels.com

T-TRAKについて、筆者個人のどうでもイイ話になるが、現在T-TRAKをシングル1台とダブル2台の計3台を所有している。しかし完成しているのはダブル1台のみで、特にもぉ1台のダブルについてはボード購入から3年以上経っているのに背景を作っただけで線路すら貼っていない(汗)。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。