静岡ホビーショー第60回…KATO篇

近年各方面で話題のジオラマ材料がますます充実

[場所]ツインメッセ静岡

静岡県といえば「模型の世界首都」を名乗っている。この静岡市にあるツインメッセ静岡において「第60回 静岡ホビーショー」が2022年5月11日~15日の5日間、静岡模型教材協同組合の主催で開催された。このことは、2022年5月15日アップ「静岡ホビーショー第60回…鉄道系展示巡覧篇」で報じているけれども、その記事の中で「出展メーカー名の末尾に『♥』が付いているブースに関しては、いずれ単独にて、不定期ながら紹介予定…」と予告してあったが、その流れでのブース展示品の中から、この度は「KATO」のブースを紹介していこう。
さて、KATO(株)関水金属(以後「KATO」と表記)の鉄道模型といえば、Nゲージなどの車輛が有名だが、その辺はおそらく他のメディアでも速報されていると思うので、当サイトではジオラマ材料やレイアウト用品をメインに眺めていくことにした。

ジオラマ材料

Nゲージレイアウトやモジュールなどの鉄モノはもちろん、最近ではそれ以外でも情景模型が世間を賑わしているが、コレに使う、地形・樹木&草原・水景の素材の購入し易さといったら国産ではKATOが最上位なのではなかろうか。
そんなわけで、KATOブースではこの度も前回同様に情景模型制作実演スペースを含めて、ジオラマ材料がかなりのスペースに展示してあった。

ジオラマ材料はKATOブースの中央にネットラックで多数を展示していた。
■テレイン・ランドスケープ・ウォーター
「KATO」でいうトコロの情景を構成する要素は、テレインは「地形を作る。」、ランドスケープは「植物を作る。」、ウォーターは「水景を作る。」に大まかに区分されている。さらに「四季を演出しよう!!」などの構成要素もあり、その情景素材の充実ぶりはサスガと言える。
まずは、そのようなジオラマ材料をネットラックに展示されていたので、左上から右へと各グループごとに見ていこう。

ジオラマ材料はKATOブースの中央にネットラックで多数を展示していた。
最近ではジオラマに季節感を表現することが流行っているようで、そのための素材も発売されている。
上ジオラマ入門キット、下樹木キット。
四季を演出する素材。
こちらも四季を演出する素材。ちなみに、昨年はあった「芝生の達人3」の展示はなかった。実演としては、とても面白かったのに(笑)。
「ジオラマ材料ミニカタログ」には、この他にフィギアニマル(ミニチュア動物)も掲載されているが、こちらは1/87スケールのためか展示品の中には見当たらなかった。

情景制作実演&作品

ジオラマ材料の展示スペースには上のネットラックの他、情景制作実演公開や作品展示も行われていた。

■情景制作後の見本展示
上の見出しでは「実演」と記してあるが、事情により実演写真の掲載はなしにしたので、完成見本のみをお見せしよう。

情景を構成する3要素を取り入れたジオラマの見本。制作実演に使われたモノだろうか。
主にテレインとウォーターのジオラマ見本。
手前はミニジオラマベース曲線線路の作品例。
ちなみに「事情」とは、情景素材の使い方の実演を撮影はしたのだが、実演の方なのに「顔を出さないてほしい」と言われたため・・・説明者から言われるなら解るが、まさかの展開(汗)。顔消しするのめんどくさいから実演写真を載せるのヤメた(笑)。(←別にモンクを言っているわけではない)

■作品展示&鉄道模型コンテスト2022のお知らせ
そしてT-TRAKとジオラマくんorミニジオラマベースとかモジュールの完成作品も展示されていたので、その写真も載せてしまおう。

T-TRAKの作品。
ジオラマくん&ミニジオラマベースをつないだ例。ちなみにタイトル写真の車輛はスモールイングランド。
なんとこのT-TRAKとミニジオラマベースを一同に集めた鉄道模型コンテスト2022が2022年8月19日(金)~21日(日)の3日間に東京都新宿区の新宿住友ビル三角広場で開催される。
すでに出展申し込み時期は過ぎてしまったが、入場チケットはまだまだ買えるので、ジオラマ好きや情景模型が気になった方は、ぜひ足を運んでみたらいかがだろうか。
入場料:大人1,000円/小学生500円
詳細は下記 URLのトップページ内スクロールにて。リンクは期間限定。
https://www.katomodels.com

Nゲージスケールのストラクチャー

Nゲージレイアウトを引き立てるストラクチャーとして、駅関係と、高架線キット、自動踏切Sなどが展示されていた。

手前ローカル駅のセット各種。線路上の車輛はキハ122姫新線。奥Nゲージ各形式基本セット。
手前橋上駅舎など。奥高架線各種。それと、とりあえず手前右端の踏切に注目しておいていただきたい。
自動踏切Sは列車が近づくと作動する。車輛は117系。
お座敷レイアウトを楽しんでいる方々には、気になるストラクチャーであろう。

模型車輛

静岡ホビーショー第60回の開催が2022年5月中旬と、車輛に関しての製品情報となるとやや古いが、やはり展示車輛の写真も必要だろう…ということで、一部にはなってしまうが、模型車輛を掲載しておこう。

■ナローゲージ ディーゼル機関車キットなど
ナゼかジオラマ材料のスペースへの展示と、車輛派の方々は見逃してしまいそうな場所にあったナローゲージ ディーゼル機関車キットなど。

手前左から、Nゲージ赤い電車キット、9mmナローゲージ箱トロ真ちゅうはんだ付けキット(車輛はトロッコのみ)、9mmナローゲージディーゼル機関車セット(ペーパー製、チビ凸用動力ユニット付)。奥は高圧鉄塔セット。
カトーSTEAMとは「鉄道模型・ジオラマ作りを楽しみながら学べるキットシリーズ…」とのことで、キットという点から、ジオラマ材料のスペースに展示してあったのだろう。
詳細は下記URLにて。
https://www.katomodels.com/product/p/steam

■Nゲージ
当然ながら、KATOのブースにはNゲージ車輛もかなり展示されていた。
筆者はNゲージ車輛の新製品情報にはあまり詳しくないので、新幹線と自身の好みに沿った車輛が写っている写真3枚を載せておく。

のぞみヒストリーなのに300系がない…っと思ったら説明板左上に告知を発見。
流鉄5000形はナゼか「タイプ」。
20系客車は「あさかぜ(初期編成)」。牽引機はEF61(茶)らしい。手前左の2両はHOアムトラック。
西武電車は101系新塗装。その他はまぁ見た通り。上を見る感じではワムハチは茶と青があるようだ。
Nゲージ車輛に関しては、この他にもまだ車輛が展示してあったことを申し添えておく。


■16番スケールHOゲージ
HOゲージの展示スペースで代表する車輛としては、165系電車とEF81 95レインボー塗装機だろうか。

HOゲージの展示車輛。165系電車とEF81 95レインボー塗装機牽引のブルートレインが走行していた。
165系電車の注目点は新開発の台車動力採用によって走行がよりスムーズになったとのこと。

165系電車には、バラ販売ながらサロとサハシが用意されているのが嬉しくなる。
筆者個人の感想としては、サロとサハシが別売りで発売される点が注目だろう。なお基本はクモハ+モハ+クハ3両で、サロ・サハシ・サハがバラで発売されるという陣容。
EF81 95レインボー塗装機は車体からの車載スピーカーの音を聞かせるために展示走行をしていたっぽい。

EF81 95レインボー塗装機が車載スピーカーへ充電しているトコロ。左はEF510北斗星色+グレードアップパーツセット。
この車載スピーカーとサウンドカードを組み合わせたシステムは、レインボー塗装機以外のEF81北斗星色や一般色へも搭載可能とのこと。
詳細は下記URLにて。
https://www.katomodels.com/product/p/hc_ho_ef81_speakerhttps://katomodels.net/soundbox/lineup/ef81/

KATO(株)関水金属
https://www.katomodels.com

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。