和田岬線で22年間走ったスカイブルーの103系が勇退

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[場所]JR和田岬線(山陽本線支線)兵庫-和田岬

いまなお現役なのが奇跡と思える、現存している103系電車の中で最もポピュラーなスタイルに近いスカイブルーの6両編成がJR西日本の山陽線支線和田岬線で運行されている。運用されているのはR1編成で、そのスタイルを見ると、関西なら東海道山陽電車線の普通電車や阪和線、首都圏なら京浜東北線や京葉線を思い起こす方は多いであろうか。
だが、ついにJR西日本から「和田岬線で22年間走ったスカイブルーの103系の勇退!」のニュースが発表された。

103系R1編成の和田岬方。現在はヘッドマークが装着されている。以下同。兵庫-和田岬
勇退する日は2023年3月18日(土)で、当日は兵庫駅にて出発式が執り行われるという。
本来この手のまつりには迎合しない当サイトであるが、惜しい感覚は否めなく、さすがにこのイベントには同調し話題にしてしまった(汗)。
JR西日本から発表された和田岬線103系のニュースリリース。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230227_00_press_skyblue.pdf
上のニュースリリースを読んでいただけたら解ると思うが、最終列車の運転時刻は公表されていない。
この辺はご理解いただきたくお願いしたい。

103系R1編成の兵庫方。兵庫-和田岬
鉄道に詳しい当サイトの読者にとっては、和田岬線のことも、103系の話もいまサラと思うので、ココでは割愛させていただいて、2月27日以後にJR西から発表されているニュースリリースのリンクを貼る形で記事を進めていかさせていただく。

103系R1編成の兵庫方。兵庫-和田岬
「JR西日本グループが和田岬線103系勇退を記念した鉄道NFTを3月1日からLINE NETで発売します」
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230227_00_press_103nft.pdf

103系R1編成の和田岬方。兵庫-和田岬
「JR西日本グループが運営する”鉄道専用”SNS『Railil(レイリル)』で和田岬線線103系勇退記念「#ありがとう103系」写真を募集します!
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230227_00_press_ralilisyashin.pdf
なお3月1日より記念ヘッドマークや車内ポスターが掲出されている。

ちなみに、タイトル写真は和田岬線の中間にある和田旋回橋を103系が渡たっているシーン。余談になるが、筆者は同シーンを動画でも撮ってあり、それをユーチューブにもアップしたので、合わせて視聴していただけると有りがたい。URLは下記。
https://youtu.be/yvCik-TzdGw
再生時間わずか13秒の超ショート動画なのはお許しあれ。

※2023年3月11日筆者追記:JR西日本より、2023年3月11日夕方の下り電車〜13日午前の上り電車(和田岬駅9:25発)の間、103系車輛を運用しない「和田岬線103系車両の運用変更について」の発表がありました。
https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230309_00_press_wada.pdf

JR西日本には進化型ならまだまだ元気な103系電車がいる

これにてかなり原型に近い103系は引退してしまうが、JR西にはまだ103系が走っている線区があるので、せっかくだから、それらを紹介しておこう。

■播但線の103系
播但線は姫路-寺前 間が電化されていることは、当サイトの読者ならすでご存じだろう。そして、この区間には103系の進化形2両編成の3500番台が運行されている。

播但線の103系3500番台の姫路方。前面はポピュラーな103系の原型イメージが残っている。溝口-福崎
まぁ「進化形」として2両編成ワンマン化されたとは言っても、前面は103系の面影をホボ残しているので、いましばらくはポピュラーな103系顔に出逢える場所といえるかもしれない。

103系3500番台の姫路方。仁豊野-香呂
ただしサイドは逆T字窓を採用していたりと、103系を名乗ってはいるが「国電」時代の印象は全くない。

103系3500番台の寺前方。側窓が逆T字なのが解る。仁豊野-香呂
それに加え、車体色がワインレッドと「国電」時代には存在しなかったカラーリングなのもあって、懐かしさはあまり感じられない(個人の感想です)。

103系3500番台の寺前方。仁富野-香呂
このスタイルを103系として捉えるか否かの判断は貴方しだいです(笑)。

■加古川線の103系
加古川線 加古川-西脇 間には、サイドは逆T字窓、そして前面貫通になって、かつて「国電」時代の103系を知る者にとっては「コレが103系なんだろうか?」と見紛うスタイルの103系3550番台が運行されている。

103系3550番台の加古川方。加古川
それにしてもココまでスタイルが変貌すると、もぉ103系と呼んでイイものか悩むだろう(笑)。

103系3550番台の西脇方。加古川
だが、もしかすると、最後まで残る103系電車になるかもしれないので、機会があれば撮影はしておこうと思う。

JR九州にもいる103系

103系が現在も運行されている路線として、JR九州の筑肥線 筑前前原-西唐津 間が挙げられる。
ココで運行されているのは103系1500番台で、103系を名乗っていて田窓は残っているが、前面は105系風だし、戸袋窓はなかったりとかのため、一見103系には見えないが、床下とかを眺めていると、なんだかんだで103系である。
本来ならココで写真を載せるべきだが、リバーサルフィルムで撮った写真しかなく、それも都合により発掘できなかったので、写真の掲載は見送りさせていただく。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。