新函館北斗駅在来線ホームの乗車位置表示がアルファベット!?

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[場所]JR函館本線 新函館北斗駅
JR北海道の新函館北斗駅は、2016年3月26日のJR北海道新幹線 新青森-当駅間開業に合わせて「渡島大野」からこの名に改称された駅なのは当サイトの読者なら百も承知と思う。
さて、その在来線のプラットホームだが、このうち2番線・3番線のいわゆる特急列車が発着する番線の乗車位置表示に案内板・目標ともにアルファベットのイニシャルが使用されている。
ちなみに、北海道新幹線のプラットホームの乗車位置表示は数字になっている。

新函館北斗駅の駅舎は新幹線(南南西)側に建っている。線路は新幹線・在来線ともに1階に敷設され、2階がコンコースという駅構造。
2番線ホームの線路側に設置された乗り場案内表示。乗車位置がアルファベットとピクトグラム(イラスト)で示されている。
2番線ホームの線路ではない側に設置された乗り場案内表示。列車編成の向きと進行方向に合わせ、上写真とは逆に左が函館になっているのはサスガ。
珍しい表示スタイルなので、アルファベットを採用した経緯などを現場に訊いてみたところ、「ホームにはさまざまな数字があり、乗車位置表示も数字だと外国人にとってはそれらと区別しにくいと判断し、混同防止に考えた。」とのことで、以前メディアに、増加する外国人客への対応強化として、乗車位置目標の表記をアルファベットにして、それぞれの文字で始まる北海道の動物や農産物・花などの英単語とピクトグラムを描いて解りやすくした(一部いま風に加筆)、とも報じられている。そんなアルファベット表示はA~Tまである。
なお、当駅の他、JR室蘭本線東室蘭駅、JR千歳線南千歳駅でも採用されているそうだ。
では、そんな乗車位置表示板&目標をAから順に見ていこう。

乗車位置表示の写真A~Tはスペースの都合で、上に乗車位置案内板、下に乗車位置目標を配して写真結合させていただいた。Aはazaleaで日本語は「つつじ」、Bはbearで日本語は「くま」。
Cはcowで日本語は「うし」、Dはdeerで日本語は「しか」。
Eはeagleで日本語は「わし」、Fはfoxで日本語は「きつね」。
Gはgullで日本語は「かもめ」で、Hはhorseで日本語は「うま」。写真がブレていて、見ずらくてスミマセン。
Iはirisで日本語は「あやめ」、Jはjayで日本語は「かけす」。
Kはkelpで日本語は「こんぶ」、Lはlavenderで日本語は「らべんだー」。
Mはmelonで日本語は「めろん」、Nはnasturtlumで日本語は「きんれんか」。
Oはowlで日本語は「ふくろう」、Pはpotatoで日本語は「ぽてと」。
Qはquinceで日本語は「まるめろ」、Rはroseで日本語は「ばら」。
Sはsalmonで日本語は「しゃけ」、Tはtulipで日本語は「ちゅーりっぷ」。
アルファベット&イラストの乗車位置表示は、北海道に訪れた旅客のうち、観光目的の外国人や子供にとっては楽しいネタかとは思うが、一乗り換え者としてシステムを見た個人的見解で言うと、英単語のイニシャルと、右上の日本語訳の頭文字に違う音があるのは、日本人の利用者には解りづらいなと感じられた。一致しているのは「Kこんぶ」「Lらべんだー」「Mめろん」「Pぽてと」「Sしゃけ」「Tちゅーりっぷ」くらい(LMPTは元が外来語だが)で、もし仮に日本人に乗車位置を訊ねられた時には「Aのつつじ」と答えた場合、「AなのにTのツツジ?」とやこしくなりそうな気がした。右上の日本語訳はいっそのことアルファベットからの直読カタカナのルビ表記、例えば「A」なら「アザレア」とした方が、内外客ともに混乱が生じないだろうし、日本人の利用者にとっては英単語を一つ覚えられて賢くなった気にもなるのでは、とは記者自身が利用してみて現地で思ったことになる。

左が3番線で列車はキハ40形使用の上り函館行普通、右が2番線で列車はキハ40形使用の下り砂原回り森行普通。2番線は新幹線11番線とは同一平面で乗り換え(中間改札はあるが)できる構造なのが解る。
普通列車の乗車位置目標は一般的な足元シールになっている。
2番線ホームの函館寄りに はこだてライナー 用の1番線頭端ホームがある。9枚上の写真「H」がブレていることの言い訳になるが、それを撮っている最中にこの733系使用はこだてライナーが到着したため慌てて移動してコレを撮り、ふたたび「H」位置に戻ったが、ナゼか次の「I」から撮りだしていたという失態による。まあ1ショットでキメられなかった自分がヘタなのだが。
はこだてライナーの乗車位置目標には、何両目のどのドアなのかも示されている。
この撮影のために、乗り換え列車を一本落とししたため、時間に余裕ができたので駅ナカを探検していたら、北海道新幹線絡み?の展示物を2つ見つけたので、それの紹介で記事を締めくくることとしよう。なお、?の含みは下写真を見れば解るだろう。

駅舎2階ラッチ外にある北斗市観光案内所に展示されていたマンホールの蓋。車輛がE(W)7系に見えるのは気のせいだろうか。
やはり同じく北斗市観光案内所に置かれていた段ボール製E5系。お子様向け変身グッズだろうか?せっかくなら帯が彩香パープルのH5系カラーだったら…と思うのは記者だけではないだろう。
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[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。