Nゲージ車輛~ジオラマ素材と幅広く模型趣味を応援するメーカー
[場所]ツインメッセ静岡
静岡県といえば「模型の世界首都」を名乗っている。その静岡市にあるツインメッセ静岡において「第63回 静岡ホビーショー」が2025年5月14日~18日の5日間(一般公開日は17日・18日のみ)に、静岡模型教材協同組合の主催で開催された。
このことは、2025年5月22日&27日アップ「静岡ホビーショー第63回…鉄道系展示巡覧=前篇・後篇」で報じているけれども、その記事の中で「出展メーカー名の末尾に『♥』が付いているブースに関しては、いずれ単独にて、不定期ながら紹介予定…」と予告してあったが、その流れでのブース展示品の中から、この度は「カトー」のブースを紹介していこう。
KATOのブースの鉄道模型展示スペース側の全景。奥がHOゲージ、手前がNゲージになる。なお、出展社名は「カトー」となっていたが、本記事では以後ブランド名の「KATO」と表記させていただくことを申し添えておく。
模型車輛
■Nゲージ
まずは、Nゲージ模型のメイン展示から眺めてこう。
Nゲージスペースの4線に展示されていた洋モノ車輛。左から、アルプスのレーティッシュ・シリーズ、ドイツICE4、東ドイツVT18/BR175、アルプスの氷河特急。
奥のDF50四国形と、ホキ5200が、筆者的には注目点。
323系大阪・関西万博ラッピングは特別企画品。なのだが手前にピントが合っている謎(汗)。11月発売予定の2段積みコンテナと、海上コンテナ積載用トレーラーを参考出品。
コンテナ類展示スペースの全景。左は40ftハイキューブコンテナを載せた、海上コンテナ積載用トレーラー。右はUV54Aコンテナなどを載せたコキ106。貨物駅ホームのイメージとしてユニトラムの軌道プレートを敷設しているのが斬新かな…。と、思ったら「貨物駅プレート…セット」という製品が発売されていて、それを直線部分に使用しているとのことだ。
2段積みコンテナは旧塗装と新塗装がある。
軌道プレートの右にくっついて敷設されている地ベタは貨物駅プレートという製品で、軌道プレートとともに「貨物駅プレート…セット」として発売されている。そして「旅するNゲージ」シリーズ。
「旅するNゲージ」車輛のうち、新製品はE6系こまち、E5系はやぶさ、E259系成田エクスプレスが新ラインナップ。E8系つばさが8月発売予定。「旅するNゲージ」シリーズは先頭車1両のディスプレイモデル。説明に英語が多いのは訪日外国人を含む方々のお土産としても楽しんてもらいたい…というコンセプトがあるからとのこと。
次は、Nゲージ・スターターセットなど。
Nゲージ・スターターセットに囲まれて、右下にミニジオラマベースをつないだエンドレスが展示されている。関連が謎の不思議な配置(笑)。平台右には、ナゼかミニジオラマベースをつないだエンドレスが展示されている。まぁココに置いておくと目立って良いのかも知れないが…。
さらに、Nゲージの〆は「ミニジオラマで遊べる!車長の短い車両を開発中」など、製品化は、皆様の声が原動力!…ご意見・ご感想はこちらから(アンケートフォーム)」という展示。
左が車長の短い車両、右が警笛ペダル(仮称)。背後QRコードは、上左から「ミニジオラマで遊べる!車長の短い車両を開発中」、「人形フィギュア各種」、下左から「T字型両手ワンハンドルマスコン化アダプター(仮称)」、「警笛ペダル(仮称)」、「サウンドボックス2台 遊び用ダミーモーター(仮称)」。
まぁあとのアンケート製品は見ての通り(汗)。アップ日時点ではこれらのQRコードがイキていたことも申し添えておく。
■16番スケールHOゲージ
HOゲージは、まずはHO PCフレキシブル線路900mを使用してHOユニトラック線路と高さを揃えられるHOジョイント道床の制作例が展示されていたので、そのご紹介。
この形で販売されているのではなく、あくまで購入後に加工制作が必要なことを申し添えておく。HOゲージ16番スケールの展示車輛は見覚えのある製品が多かったが、「D51標準量産型」と「D51グレードアップパーツセット」は3月発売のホビーショー的にはホボ新顔。そして、さらなる新製品のメイクアップパーツが参考出品されていたので、それを紹介。
中央台上の左がグレードアップパーツで、右のパーツが「参考出品」のメイクアップパーツ。D51が牽引している貨車も3月~6月発売のホビーショー的には新顔で、前からヨ5000・ワム90000×2・トラ45000・ホキ2200×4・ワム80000・トラ45000・ワム80000×3・ワフ29500という編成。
せっかくなので、165系、EF58(ツララ切り付・茶)、キハ81・82系は、既発売の製品だが、紹介しておこう。
EF58(ツララ切り付・茶)は、2月発売なので、ホビーショー的には新顔。
キハ81。
キハ82との連結部。
キハ81・82と165系300番台の説明は話が長くなるため、この写真にて代えさせていただきます(笑)。HOゲージ16番スケールの展示車輛の中ではホビーショー的にホボ新顔といえるマニ60 350とマニ61 350が出品されていたので、その写真にてこの項を〆よう。
左がマニ61 350で台車がTR23、右がマニ60 350で台車がTR11。なお、この度は紹介していないが、夢空間編成も展示されていた。
ジオラマ用品
■ストラクチャー&ジオラマ素材など
本年のストラクチャー展示では、人形フィギュア類の配置がテーマだったように感じられた。
ストラクチャーの展示スペース。ただし、1/150スケールの人形たちには「フィギュア」というシリーズ名が冠されていなくて、Nゲージ的にはどの位置付けになるのか筆者としては、項目を区切るのに悩む存在ではあった(笑)。
ここまで寄ると、人々の様々なポーズの異なりが判る。ということで「人々」とか「乗客」シリーズ(?)の集合体が下の写真になる。
人々や乗客のアップ。縮尺未表記は1/150スケールになる。KATOには1/87スケールでは「フィギュアニマル」というシリーズがあるが、1/150スケールになると「日本の動物シリーズ」を冠して、やはりフィギュアという言葉は使っていない。なにはともあれ、それら日本の動物シリーズを眺めていこう。
左7個が1/87スケール、右3個が1/150スケール。
1/150スケール柴犬。ナゼか狛犬がいる。
1/150スケール和猫。ナゼか招き猫がいる。なお、ほぼ1/87スケール「妖怪のいる季節」シリーズのキャッチフレーズにはフィギュアの語が使われている…。
ほぼ1/87スケール妖怪のいる季節シリーズ。コチラはフィギュアを名乗っている。そして、ジオラマ素材はこの度も大々的に展示されてた。
左上から、テレイン、ウォーター、ランドスケープ。右上はJustPlug。右下はストラクチャー類。いつもだとこの展示の近くにジオラマ素材実演コーナーがあるのだが…。その辺のストラクチャー&ジオラマ素材などを使用した集大成見本(になるのかな?)のジオラマ・エンドレスレイアウトの写真にて、この項を〆よう。
ジオラマ・エンドレスレイアウトの線路沿いには、何気に鉄道作業員(24-203)が立っていたりする。電車は左211系5000番台、右313系。■Just Plug
いわゆるライティングシステムのこと。
JustPlug展示スペース。この度の展示では、クルマのヘッドライトを点灯させるヤリ方を見せていた。
JustPlugのクルマ展示左のアップ。
JustPlugのクルマ展示右のアップ。そしてJust Plugといえば、やはり建物内の点灯だろう。
JustPlugLightingSystemを組み込んだ駅舎
ビル類やタウンショップにJustPlugLightingSystemを組み込んだ制作例。ここまでがJust Plugの紹介なのだが、この展示の右脇に情景素材を使用した制作見本が置かれてあった? なので、本来なら■ジオラマ素材の項にて紹介すべき写真なのだが、ブース見学の順に従い、コチラへ載せさせていただく。
JustPlugの展示スペースが分散していたため、ジオラマのテレインなど制作実演スペースも7枚上の写真のジオラマ素材と離れた場所になっていた。ということで、上写真の右隣の展示となっていたジオラマ素材制作見本。なお、鉄道模型コンテスト2025が夏に開催される。場所と日程は、東京地区が新宿住友ビル「三角広場」にて8月1日~3日に、福岡地区が博多阪急7Fイベントホール「ミューズ」にて8月13日~18日に開催される。そのURLを下へ記しておく。
https://www.moraco.jp
株式会社カトー
https://www.katomodels.com
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。