六甲ケーブル六甲山上駅が変貌の兆し!?

2004年12月19日運行休止の六甲有馬ロープウェー表六甲線が2024年12月から撤去工事を開始した

[場所]神戸六甲鉄道 六甲ケーブル線 六甲山上駅など

現在の六甲ケーブル線は、六甲山上駅まで登ると、その先はバスにて巡る観光遊覧スタイルが確立されている。だが、2004年12月19日以前までは、六甲有馬ロープウェー表六甲線が、同駅に隣接する表六甲駅から六甲有馬ロープウェー有馬線六甲山頂駅間を結んで敷設されていて、同線を介して、両駅で乗り換えることにはなるが、ケーブルカーと索道により神戸の海側から有馬温泉へと至ることができるルートになっていたのだが、同日から運行休止になっていた。
さて、この六甲有馬ロープウェー表六甲線跡だが、2024年12月から撤去工事を開始した。
工事開始が半年以上も前の話で、またもやチョット過去ニュースになってしまった点はお許し願いたい。
誤解を招くと宜しくないので、一言添えると、六甲有馬ロープウェー有馬線は現在通常どおり運行されている。

まずは六甲ケーブル下駅から見ていこう

一気に六甲山上駅へ行ってしまうのも何なので、まずは六甲ケーブル下駅から眺めていこう。

六甲ケーブル線六甲ケーブル下駅の外観。手前の駅前広場に神戸市交通局の市バスが発着している。
六甲ケーブル下駅へは、神戸市交通局の市バスにより、主に16系統にて「阪神御影」「JR六甲道」「阪急六甲」各駅から利用で行くのが一般的だとは思うが、筆者は神戸市灘区の坂道を体感いたしたく阪急神戸線六甲駅から徒歩にて向かった。
ルートの途中には雛壇スタイルのマンションが建っていたりしてと、風景的には楽しい道中ではあったが、標高244.2mの高さまで徒歩にて登るのはサスガに疲れた(笑)。

阪急六甲駅から徒歩で六甲ケーブル下駅へ向かった場合、途中に雛壇型のマンションが見えたりして神戸らしい(!?)景色を楽しめる。この建物中心にある斜行エレベータには何だか乗りたくなってしまう(笑)。阪急電鉄(株)が手掛けた分譲マンションだそーだ。
こぉして、いよいよ六甲ケーブル線の車輛へと乗車。
同線は単線に2両が交走する釣瓶式を採用しており、2編成が交互に行き交う運行形態で、乗車するのはどちらかになるのだが、筆者が六甲ケーブル下駅に辿り着いた時のタイミングで目の前に停まっていた車輛は1・3号クラシックタイプの方であった。

1・3号クラシックタイプの3号方。

六甲山上駅をご紹介

六甲山上駅へは、所要時間約10分ほどで到着する。

1・3号クラシックタイプの1号方。
そして改札口を抜けた、コンコース目前には「六甲山観光ガイドマップ」が設置されていた。

改札口を出たスグ先のコンコースに設置されている「六甲山観光ガイドマップ」。
上の「六甲山観光ガイドマップ」を見ていただけても解る通り、六甲山上には路線バス・ネットワークが張りめぐらされているので、六甲有馬ロープウェー表六甲線がなくても、これらを利用することによって、同駅から六甲有馬ロープウェー有馬線六甲山頂駅へと公共交通機関にて至ることができる。
では、玄関口を出て駅舎を眺めてみよう。

六甲ケーブル線六甲山上駅の外観。右がプラットホーム方になる。バスは六甲山上バスえ・653(先代)いすゞエルガミオ。ナンバー「653」は六甲山の語呂とのこと。
駅舎は1932年(昭和7年)の開業当時の建物で、2007年11月30日に、経済産業省から「近代化産業遺産」に認定されている。

■六甲山上駅の駅舎内に展示の模型
六甲山上駅の駅舎内には、同駅の駅舎外観を凝縮した建築模型と、単線2両が交走する釣瓶式を解説したデフォルメされたジオラマ模型が展示されているので、その写真を載せておこう。

六甲山上駅の駅舎模型で、左が駅前広場方。
同じく六甲山上駅の駅舎模型で、そのプラットホーム方。
釣瓶式ケーブルカーを解説するためデフォルメしたジオラマ模型。模型車輛は「2代目」のボンネット形の車輛。なお、いまの現役車輛は3代目。
ちなみに、六甲山上駅の駅舎内の展示品は、撮影が約7年前の写真であり、シーズンにより企画展をやっていたり、さらには2025年4月13日(日)より同駅コンコースにストリートピアノが登場したのもあったりで、同模型がココで紹介の位置にては展示されていない可能性も高いので、その場合にはご容赦願いたい。
六甲山上駅ストリートピアノについてのURL。
https://kobe-piano.jp/piano/%E5%85%AD%E7%94%B2%E5%B1%B1%E4%B8%8A%E9%A7%85/

■復路の乗車車輛は2・4号
ケーブルカーの場合、筆者は往復で異なる車輛に乗りたい…ってのもあって、復路では2・4号レトロタイプに乗るタイミングを図って下山した。

2・4号レトロタイプの2号方。
なお、六甲ケーブル線の往路の後面展望の動画をユーチューブにアップしてあるので、気が向いたら視ていただけたら有りがたい。視聴は下記画面をクリック。

ところで、筆者だけかも知れないが、六甲山の山頂側の駅名は、六甲ケーブル線が「六甲山上駅」で、六甲有馬ロープウェーの方は「六甲山頂駅」と、約1.8km離れているのに良く似ているので頭が混乱した。まぁ慣れればどぉってコトはない事象ではあるのだろうが…。

六甲有馬ロープウェー表六甲線が2024年12月から撤去工事を開始

ここまで記しといて、先ほどまでの記事は序章であった(!?)。これからが本篇になる…。
ナゼなら冒頭で紹介したニュースの「六甲ケーブル線六甲山上駅に隣接する表六甲駅から六甲有馬ロープウェー有馬線六甲山頂駅間を結んでいた六甲有馬ロープウェー表六甲線は2004年12月19日より長らく運行休止していたが、2024年12月から撤去工事を開始した。」件が、本記事を記す切っ掛けになったからであり、それによる将来展望の予想も書きたくなったのはある。

六甲山上駅の東側スグの場所にある六甲山天覧台からの海方の眺めで、右の建物が六甲有馬ロープウェー表六甲線表六甲駅の跡になる。ゴンドラがまだ存在しているのも判かろう。
六甲ケーブル線の山上方から車内展望で見た六甲有馬ロープウェー表六甲線表六甲駅の跡(左右とも)。
とはいえ、運行休止から約20年も経っているので、イマ更この六甲有馬ロープウェー表六甲線撤去工事後に、六甲ケーブル線六甲山上駅の新たなる進化や、六甲山上の交通体系や周遊ルートに大きな変化が起こるとは思え無いし、まして旅のガイドがメインの本サイトなので、大人しく状況を見据えるのが好いのかも知れない。

六甲山天覧台に設置されている「Mt.ROKKO GUIDE MAP」。摩耶山の方まで描かれているが、六甲有馬ロープウェー表六甲線跡は描かれていない。当たり前だが…。
六甲有馬ロープエェイ・表六甲線撤去のお知らせプレス資料PDF形式URL。
https://koberope.jp/wordpress/wp-content/uploads/2024/11/%E3%80%9020241120%E3%83%97%E3%83%AC%E3%82%B9%E3%80%91%E5%85%AD%E7%94%B2%E6%9C%89%E9%A6%AC%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%97%E3%82%A6%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%BB%E8%A1%A8%E5%85%AD%E7%94%B2%E7%B7%9A%E6%92%A4%E5%8E%BB%E3%81%AE%E3%81%8A%E7%9F%A5%E3%82%89%E3%81%9B.pdf

神戸電鉄有馬線 有馬温泉駅の写真…ではなく(汗)

記事の〆は六甲有馬ロープウェー有馬温泉駅の写真にしたかったのだが、筆者は撮っていない(汗)。
ならば関西の奥座敷と呼ばれる有馬温泉への公共交通機関での、神戸市街からのメインルートは、近年ではやはり神戸電鉄有馬線利用になろう…。ということで、本記事の〆は神戸電鉄有馬線 有馬温泉駅の写真にいたそうと思い、筆者が撮ったストック写真より有馬温泉駅の過去写真を探索したのだが発掘できなかった。終着駅は訪れたら必ず撮っているのに不思議である。
なので同線 有馬口駅にて撮った電車の写真にてそれに代えさせていただく。

前項からの記事の流れだと、六甲有馬ロープウェー有馬温泉駅の写真、もしくは神戸電鉄有馬温泉駅の写真を載せるべきトコロだけれども、上記の理由により 神戸電鉄 有馬口 駅の写真にさせていただいた。
向き的には奥左が三田駅方、奥右が有馬温泉駅方。電車は左が1000系デ1350形1355F、右が3000系3013F。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。


[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。