滝口の上を通る鉄道線 龍門の滝

鉄道旅を一層たのしくする車窓・施設案内シリーズです。
[場所] JR烏山線 滝-烏山
2017年3月4日のダイヤ改正にて、JR烏山線で運用される車輛が全てEV-E301系「ACCUM」に統一された。EV-E301系は架線集電式の直流用蓄電池駆動電車として有名で、当サイトでも2015年7月29日アップの記事「ACCUMに乗ってみよう」(←その記事はここをクリック)でEV-E301系を紹介している。
そんなEV-E301系が走る烏山線では、終着駅間近の 滝-烏山 間の沿線に観光名所の「龍門の滝」があり、線路はその滝より上方を通っているため、車窓西側(下り列車では右手)にその滝口を見ることができる。
滝の前を通る鉄道線は全国に大小含めればそれなりにあり、当サイトでも2015年4月30日アップの記事で中央西線沿線の木曽八景の「小野の滝」(←その記事はここをクリック)を紹介したりしているが、滝口の上を通る鉄道線はそうそうないと思い、ここで紹介させていただくことにした。

滝口を、上に通っている道路の歩道から眺めたところ。烏山線からもこれとほぼ同じように見えるが、夏になると樹木に葉が繁るので、全貌を見るには辛くなってしまう。ちなみに写真の上方にあるのが「龍門ふるさと民芸館」だ。
滝口を、上に通っている道路の歩道から眺めたところ。烏山線からもこれとほぼ同じように見えるが、夏になると樹木に葉が繁るので、全貌を見るには辛くなってしまう。ちなみに写真の上方にあるのが「龍門ふるさと民芸館」だ。
滝壷方からの龍門の滝の眺め。滝は分岐瀑で、水量にもよるが、この日は左から直瀑、段瀑の様相を見せていた。なお、滝の上の柵部分が歩道で、その上が道路、そしてさらにその上に烏山線の線路がある。
滝壷方からの龍門の滝の眺め。滝は分岐瀑で、水量にもよるが、この日は左から直瀑、段瀑の様相を見せていた。なお、滝の上の柵部分が歩道で、その上が道路、そしてさらにその上に烏山線の線路がある。

「龍門の滝」は、位置的には 滝駅 の南南東約500m程の地点にある。
滝は高さ約20m幅約65mの大きさで、中段に「男釜(おがま)、女釜(めがま)と呼ばれる二つの縦穴が形成されていて、このうちの男釜には『龍』が住むという伝説があり、これが名称の由来になっている。

滝へ下りる遊歩道に立つ説明板。龍門の滝の詳細を記すと長くなるので、これを読んでいただきたくお願いしたい。
滝へ下りる遊歩道に立つ説明板。龍門の滝の詳細を記すと長くなるので、これを読んでいただきたくお願いしたい。

滝へ続く遊歩道の入口には、龍門の滝を見下ろせる入場無料の展望台「龍門ふるさと民芸館」があり、滝の上を走る烏山線の車輛を程よい高さから眺めることができる。またこの施設は那須烏山市の観光情報発信地にもなっており、地元の物産コーナーもあるので、列車の撮影目的以外で訪れてもそれなりに楽しめる場所になっている。

「龍門ふるさと民芸館」の外観。展望室も含めて入場無料。
「龍門ふるさと民芸館」の外観。展望室も含めて入場無料。
展望室の天井には吉原北宰先生が描いた作品『龍門の鳴龍』が展示されている。
展望室の天井には吉原北宰先生が描いた作品『龍門の鳴龍』が展示されている。
展望室から眺めた、烏山線を走る列車。2016年末の撮影のため車輛はキハ40だが、現在はEV-E301系「ACCUM」が定期列車の全てに充当されている。
展望室から眺めた、烏山線を走る列車。2016年末の撮影のため車輛はキハ40だが、現在はEV-E301系「ACCUM」が定期列車の全てに充当されている。

栃木県の滝めぐりというと、奥日光の方に目が行きがちだが、県東部を通る烏山線沿線にも、駅から歩いて行ける程のアクセスの良い場所に、自然により形成された豪快な滝があることを教えてくれているのが「龍門の滝」だろう。

龍門ふるさと民芸館
開館時間
9時~16時
休館日
毎週火曜日(祝日の場合はその翌日)
住所
〒321-0633 栃木県那須烏山市滝414番地
TEL
0287-83-2765
URL

https://www.city.nasukarasuyama.lg.jp/page/page000456.html

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。