本年11月30日が見納め 屋外で見れるトロリーバス架線分岐

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[場所] 関電トンネル トロリーバス 扇沢駅
関電トンネルトロリーバス は2019年4月の冬季休業明けから車輛が電気バスに変更される。導入されるバス車輛は、駅(バスになると停留所扱いになるかも?)にて車載パンタグラフからの急速充電で蓄電池に充電する方式をとるため、架線から集電して電動機により走行するトロリーバスは2018年11月30日をもって運行が終了する。

ところで、トロリーバスはレールの上を走る電車とは異なり、架線が2本並行に張られている。当然2本に流れる電気の極性は別なわけで、ではその架線の合流分岐はどんな仕組みになっていて、ワンマンカーではそこをどのように通過していくのか気になっていたのと、前記の理由によりここのトロリーバスがまもなく見られなくなるのもあり、関電トンネルトロリーバス 扇沢駅 を架線観察も兼ねて訪ねてみた。

扇沢駅で発車を待つ関西電力300形無軌条電車。ここの電化方式は直流600Vを採用している。フロントやサイドのラッピングは2018年トロバスラストイヤーキャンペーンの一貫として貼られたモノ。眺めた限りでは全車に貼られていたので原色はもう見られない。とはいえ剥がせば元に戻せることだが。
300形の後ろからの眺め。トロリーポールを2本立てている。テールランプの間にあるお椀形2つの突起はレトリーバーで、トロリーポールが架線から離線した時にロープを自動的に巻取ることにより付帯設備の損傷を未然に防止する装置。ちなみに、停まっていたのはこの2両で、後ろにトロリーバスはいなかったのだが…。
300形のトロリーポールの集電部。架線に接触する部分はスライダーシュー式になっている。

日本にトロリーバスの路線は、当記事アップ日時点で2線あるが、その両端駅4つはすべてリバース配線になっていて架線が合流分岐する箇所がある。2線ともトンネル内を走っているイメージが強く、合流分岐を間近からは眺められそうもないように思われがちだろう。しかし、この関電トンネルトロリーバスには扇沢駅とその付近で屋外を走る部分が少しあり、ここには架線が合流分岐する箇所も含まれている。そんなわけで扇沢駅が上記リバース4駅の中で合流分岐の仕組みを間近で観察できる国内唯一の場所になる。

扇沢駅の乗車ホームから発車してゆく300形。製造は車体が大阪車輛工業、足回りは三菱自動車工業で、製造初年は1993年。制御装置はVVVFインバータ制御(GTOサイリスタ素子)。主電動機はかご形三相誘導電動機で、出力120kw(端子電圧440V)。
上写真の位置から反対を向いた光景で、300形のトロリーポールが丁度接触しているあたりの架線に合流分岐する箇所がある。なお、3枚上写真では乗車ホームに停まっていた車輛は2両だが、この後さらに2両が現われ、結局3両続行の計4両が出発していった。

トロリーバスは「無軌条電車」ともいい、日本の法令上は鉄道事業法の 鉄道 として扱われている。そんなことは当サイトの読者なら知っているとは思う。さてそんなわけで、一見バスに見える(実際に車体はスケルトンバスだが)トロリーバスの記事をここで書かせていただいた。
では、架線の合流分岐部分がどうなっているのか眺めていこう。

上写真の位置の先からの架線の合流分岐部分のアップ。反位側のガイドが可動式になっていて、鉄道分岐器でいうところのスプリングポイントのような動きをしてをスライダーを振り分けている。なお、この写真と下の写真を撮影するにあたってのプラットホーム先端の先へは、現地に断りを入れて立ち入っています。
架線の合流分岐部分を通過するスライダーのアップ。FH動画からの切り出しで、YouTubeでも公開中。https://youtu.be/2ObUo1IC7GI
この光景が見られるのも2018年11月30日までだ。
急カーブ地点の架線は鋼体にトロリーを懸下する方式になっている。ちなみに、駅の配線はリバースになっているのだが、電化方式は直流600Vなので、そうするとどこかで電気の極性+-を逆転しなくてはならないはずだが、駅内でのセクションの存在はうっかり未確認。

関電トンネル トロリーバスでは、「トロバスラストイヤーキャンペーン」として、2018年4月15日から11月30日までの間「昭和39年8月の営業運転開始以後54年間のご愛顧に対する感謝の意を込めた各種イベント等を実施いたします。」として記念乗車券や記念乗車券レプリカセットの発売などを行なっている。
さらに、運行最終日にはトロバスラストランを記念して 引退セレモニー を予定しているとのことなので、このシーズンの 関電トンネル トロリーバス からは目が離せなさそうだ。

車庫前に佇む300形たち。トロリーポールを降ろして、架線がない場所にいるが、実は小型エンジンを備えており、それで自走することができる。
扇沢駅のコンコースに飾られていた 関西電力100形無軌条電車101号 の模型。そのスタイルから車体はモノコックバス構造だったことが窺える。

なお、関電トンネル トロリーバス は午前の扇沢駅→黒部ダム駅と、夕方の黒部ダム駅→扇沢駅は混雑するので、トロリーバスだけが目的でこの路線への乗車をじっくり味わいたいなら、それ以外の時間をお勧めしたい。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。