JR気仙沼線 柳津駅の列車⇔BRT新設乗り換え設備を眺める

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[場所]JR気仙沼線 柳津駅
JR気仙沼線 柳津駅は鉄道とBRTが接続する駅の一つなのはご存知だろう。ところでここのBRTだが、以前は駅前広場に発着していたが、2018年7月1日にBRT専用道が同駅構内まで延伸され使用を開始したので、この日に向けて整備していた、鉄道ホームの気仙沼方突端の先に新設されたBRT用ホームに、同日から発着するようになった。

柳津駅鉄道ホームの気仙沼方突端の先に設置されたBRT用ホーム。その先に延びるのは線路跡を利用したBRT専用道。整備前の写真が、2015年5月28日アップの「JR気仙沼線BRTに乗ってみました」(←その記事はココをクリック)の下の方に掲載されているので、合わせて見ていただけるとありがたい。
これにより、鉄道ホーム⇔BRTホーム間の通路が設けられたため、列車とBRTの接続乗り換えが跨線橋を使用せずにスロープのみで移動できるようになった。
そんなおり、先日ちょうど柳津駅を通る予定があったので、その時に接続施設がどんな形になっているのか眺めてみた。こんなわけで、せっかくなのでそのレポートをお届けしよう。
では、鉄道ホーム側からBRT用ホームへ向かって、新設通路を辿ってみよう。
鉄道ホーム1番線側からの気仙沼(北東)方の眺め。右の案内板がある所が乗り換え通路の入り口。
1番線の車止めの先にBRTが待っている。ただし、ダイヤによってはピッタリの接続で待っていない時もあるが。
スロープは車いすが通れる十分の幅を確保してある。
上写真のスロープを下りた先から振り返って見た鉄道ホーム側の光景。右の道はBRT専用道との接続路で、駅前広場につながっている。
なお、乗り換え通路が使用開始された後も、元々の鉄道駅の駅舎と跨線橋は以前と変わらない姿で現役で使用されている。それもあるからか、駅前広場からBRT用ホームには駅舎を通らずに行くこともできる構造になっている。
右の緑色の屋根の建物が駅舎で、プラットホームから見て北西側にあり、これの前に駅前広場が広がっている。そして、BRT専用道はその駅前広場から接続路を介して北東(写真では左)に延びている。
上写真の専用道への接続路がカーブしているあたりにある一般車の侵入を防ぐ遮断機。BRTが通る時にだけ上がる。
上写真の場所から振り返って見える光景。車両はキハ110形。
BRTが近づいてくると遮断機が上がり、専用道に進入して、BRT用出発ホームに入線する。
BRT用ホームは到着ホームと出発ホームに分かれている。まあバス停と思えば当然の分離ではあるが。
そして、到着したBRTは乗客を降ろした後、駅前広場へ一旦出て、転回してそこで一時留置され、次の発車を待つことになる。
鉄道ホーム側から気仙沼方に見たBRT用ホームで、左が出発ホーム、右が到着ホーム。
BRTは到着ホームで乗客を降ろすとすぐに駅前広場へと向かう。車輛は日野ブルーリボンシティハイブリッド。
ちなみに、同駅の鉄道ホーム側のことになるが、以前にあった2番線の線路はこの整備に合わせて撤去されたため、棒線駅だが跨線橋のある終端駅になった。
柳津駅の跨線橋上からの前谷地(南西)方の眺め。プラットホーム右側が1番線で、左側は元2番線。2番線の線路は分岐器も含めて見事に撤去されている。車輛はキハ110形。なお、2番線があった頃の写真が、やはり「JR気仙沼線BRTに乗ってみました」の記事の中に掲載されているので、合わせて見てもらえると幸いだ。
首都圏や仙台⇔三陸地域間の公共交通は、高速バスや都市間バス利用が主流になりつつあるが、かつての線路跡を辿るルートも候補に入れてもらえることを望みたい。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。