万葉まほろば~和歌山ラインで103系1000番台の面影を追う

鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内

[場所]JR桜井線-JR和歌山線全線+JR紀勢本線 和歌山-和歌山市

国鉄時代の常磐緩行線で1971年から営団地下鉄(現・東京メトロ)千代田線への乗り入れ車として1986年3月まで活躍していた103系1000番台通勤形直流電車は、個性的な前面ガラスで昭和時代においては斬新なデザインの貫通型として異彩を放っていたが、そんな同車のスタイルを継承した105系改造車クハ105形0番台が48年の時を経た2019年の現在も活躍している場所がある。

103系1000番台が常磐緩行線で現役だった頃の地下鉄乗り入れ色のカラー写真はなかったのだが、たまたま2003年5月30日に撮影したVTRに、営団地下鉄東西線で同日にラストランを迎えたJR時代の103系1000番台が映っている動画があったので、そこよりの切り出し写真で、首都圏にいた時はどんなスタイルだったかをお見せしよう。なお、国鉄時代には帯色が常磐色のエメラルドグリーンで、前面右(向かって左)の運行番号表示窓の上と、サイドの上帯の中間に「JNR」マークが入っていたことはいわずもがなだろう。ちなみに、写真が後追いなのは、前向きの時に見事に被られたためで、せっかくなのでその残念な動画のリンクも貼っておこう。
https://youtu.be/p2l2K67sctg
さて、当時首都圏在住のアラフォー世代以上が、その頃のレトロ感を味わいに行くというガイドとしてはいまさらだが、ではナゼこの時期に紹介したかというと、あと約1年後の2020年春には、この前面を持つ105系クハ105形0番台が全廃になると予想されるからだ。
なぜなら、JR西日本が2020年春までに、同区間に車載型ICOCA導入のため、新型車輛への置き換えを順次実施していくことが決定したからになる。

和歌山線 JR五位堂-高田 間を走行する227系1000番台。約1年後にはこの車輛に置き換わる。そのニュースリリースもリンクで載せておこう。
https://www.westjr.co.jp/press/article/2018/03/page_12012.html
なお、以下の走行写真は全て同地点の撮影になる。
さらに、上記の区間で運行されている105系4扉車は、他の形式も元・103系1000番台改造車が大方を占めているので車齢も古く、こちらもクハ105形0番台と同じように、この置き換えにより2020年春で全廃になることが想像できる。なので105系4扉車はあと1年は見られるとはいえ、置き換えのペースを考慮すれば、効率良く楽しめるのは、この夏くらいまでかなと踏んだのも記事にした訳である。
では、その元・103系1000番台のうちのクハ105形0番台に、どんなバージョンがあるか眺めていこう。

左から105系クハ105-6+クモハ105-516。クハ105-6は元・103系クハ103-1012で、集中式冷房搭載車。ちなみにタイトル写真はクハ105-5+クモハ105-515で、クハ105-5は元・103系クハ105-1017。
105系クハ105-13は元・103系クハ103-1021で、簡易冷房搭載車なので屋根に非冷房時代の面影を残している。和歌山線 五条にて。
クハ103-13の運転台。国鉄時代の縦軸2ハンドルのままだ。
左は105系クハ104-551で、一見元・103系1000番台に見えるが、元・モハ102-385を電装解除の上、元・103系クハ103-1032だった元・クハ105-7の前頭部を接合した車輛。分散式冷房で見分けがつく。右はクモハ105-517。
運行区間は上のタイトル下にも書いてある通りで、乗る分にはこの区間で追ッカケをすれば良いのだが、撮影するとなると、案外大変な部分がある。それは、元・103系1000番台の前面を有しているのはクハのみになり、王寺方に連結されているため、これを順光で撮影できる場所がかなり限られてしまうからだ。
個人の感想になるが、和歌山線はほぼアウト、桜井線は奈良-桜井と、午後の運転時刻なら王寺-高田を含む区間に限られようか?

左からクハ104-505+クモハ105-505。クハ104-500番台とクモハ105-500番台は新造の105系と同じ前面をしているが、やはり4扉車は元・103系1000番台からの改造車なので2020年春には見納めになることが予想できる。
そんな中、見つけたのが、上の一連の走行写真を撮った和歌山線 JR五位堂-高田 間。ここが順光になるのは夕方限定とはいえ、その時間帯はかなり効率良く撮影ができる。
103系1000番台の前面に思い出がある方は、遭えるチャンスの多い、早い時期に訪ねることをぜひお勧めしたい。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。