JR米坂線と山形鉄道フラワー長井線が線路を共用する鉄橋

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梅雨明け恒例の涼しい画像を並べた納涼記事…

[場所]JR米坂線 今泉-萩生

今年の関東は、梅雨が明けてない6月半ばくらいから、すでに30度C超えの日が続出して、部屋での仕事が全く捗らない(冷房が無いため)。そのような状況下、涼しい写真の記事は何か書けないかとお蔵入りになって取り残されていたネタから題材を探して、浮かび上がってきたのが、JR米坂線・山形鉄道フラワー長井線 今泉駅から北西約1.5km程の場所にある白川信号場までの両線共用区間になる。

初冬の米坂線白川橋梁を渡っている列車から、今泉駅側より萩生駅方を望んだトコロ。
一昨年の同テーマの記事冒頭にも記したが、当サイトの場合「旅のガイド」と銘打っている都合上、雪深かったりとかの如何にも真冬の風景写真だと使いモノにならないから、程々の雪景色しか撮っていないので、このくらいの涼しい写真にてでも読者の方の暑気払いになったなら、記事を書いていて嬉しく思う。

上写真とホボ同じアングルからの初秋の頃の光景。とりあえず比較に、暑い頃の写真も載せておく(汗)。
実は 今泉-白川信号場 間を撮ったのは、5年程前になる。ではナゼこの写真の記事が、頃合いの時期にアップされずお蔵入りになっていたのか? それはこれら一連の写真を撮って記事のアップ時期を窺っていた矢先の2022年8月3日に、豪雨被害によりJR米坂線 今泉-坂町 間が長期運休になってしまい、タイミングを逸してしまったことに起因している。

今泉駅よりの北西側の眺め。今泉駅から白川信号場方へは、アップ日時点では、山形鉄道フラワー長井線の車輌しか走っていない。気動車は山形鉄道YR-884号さくらラッピング。奥の山々は大朝日岳を主峰とする朝日連峰。
しかし、米坂線運休区間の 今泉-坂町 間の運転再開を待っていてもラチが開かないと思い、この「納涼記事」の時期が良いタイミングと見てアップさせていただいた。

JR今泉→フラワー長井線 時庭

JR米坂線と山形鉄道フラワー長井線が約1.5kmほどとはいえ線路を共用しているのは、イマとなっては面白いが、過去を遡れば山形鉄道フラワー長井線は1988年10月25日にJR東日本から山形鉄道へ転換される以前にはJR東日本長井線だったので、そう考えれば線路が共用の配線になっている理由は理解できるだろう。
ではまず、JR今泉→フラワー長井線 時庭 間を前方展望で眺めていこう。

今泉駅2番線に停車するフラワー長井線の列車内からの白川信号場方の眺め。
発車すると出発信号機のスグ先に多進路用進路表示機が立っている。表示は横一文字で、何を示しているのかは素人の筆者にとっては謎!?
3・4番線から延びる線路とも合流。一路、白川信号場へと目指す。
白川橋梁の先に白川信号場が見えてくる。だが場内信号機がない?
ここまできても、まだ場内信号機はない?
左が米坂線で、右がフラワー長井線。
場内信号機がないままに分岐器部分へ…。左の手前分岐の線路は安全側線。
フラワー長井線側にも安全側線が備わっている。
白川信号場は分岐した両線の間に詰所がある構造。
白川信号所の分岐前に信号機がないことから、この白川信号場までがJR今泉駅の構内扱いなことが窺われる。

フラワー長井線 時庭→JR今泉

話が前後するが、今泉駅はJR西日本 米坂線の駅で、山形鉄道のフラワー長井線が乗り入れているスタイルになっている。
なので、今泉-白川信号場 までが今泉駅の構内ということになるので、この約1.5kmの区間(正確には場内)にフラワー長井線の気動車がイマも普通に走っているのも納得できるだろう。
そして各見出しの駅名でも「JR今泉」と表記させていただかせている。
では次は、フラワー長井線 時庭→JR今泉 間を前方展望で眺めていこう。

線路の先の建物が白川信号場の詰所。場内信号機はG現示。ここから今泉駅の構内ということになる。
白川信号場の詰所の時庭駅方全景。
線路の真ん中に設置されているのはATS(自動列車停止装置)。
詰所の先で、右から米坂線が合流してくる。左は安全側線。
白川橋梁を渡って1kmほどに第二場内信号機が設置されている。解りづらいが左の「山鉄」信号機がY現示。
なお、上写真の線路の先の一番目の分岐の右に立っているのが、12枚上写真の多進路用進路表示機で、この坂町方にも多進路用進路表示機が設置されている。が、表示はやはり横一文字。

JR今泉→米坂線 萩生

ここまでこの区間(正確には場内)を眺めてくると、タイトルの区間表記が「JR米坂線 今泉-萩生」となっていることに違和感がある方は多いと思われる。元々、白川信号場は米坂線の信号場だったので、タイトル表記ではフラワー長井線の区間に入れなかったというのはあるが、白川信号場までが今泉駅の構内だったことが分かってくると「[場所]JR米坂線 今泉駅」と書き換えた方が良いのかもとは思ったけれども、JR米坂線 今泉-坂町 間の運転再開を願って、このままとさせていただいた。
また、タイトルの「共用」の文字も書き換えていない点もお許し願いたい。
それでは、JR今泉→米坂線 萩生 間を、この度は後方展望にて眺めていこう。

この度は後方展望で、奥の長い鉄橋が白川橋梁。
右が米坂線。左はフラワー長井線。
コチラは米坂線側の安全側線。
さらに進み、左が白川信号場の詰所。
白川信号場の詰所の萩生駅方全景。
そして米坂線方の場内信号機。後方展望なのでR現示。
JR米坂線は、現在運行されている米沢-今泉 間は東日本旅客鉄道株式会社東北本部の管轄だが、運休区間の萩生-坂町 間の管轄が東日本旅客鉄道株式会社新潟支社と、別支社の管轄であり、復旧費用の分担を国、県、沿線自治体と協議中なのもあるため、米坂線運休区間のこの先の運転再開の見通しは未だ立っていない。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。