南八ヶ岳と南アルプスを望める小淵沢駅の展望台

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[場所]JR中央東線・小海線 小淵沢駅

今年は梅雨が明けてないのに、すでに35度C超えの日が続出して、部屋での仕事が全く捗らない(冷房が無いため)。そのような状況下、涼しい写真の記事は何か書けないかとネタを探して、浮かび上がってきたのが、中央東線・小海線 小淵沢駅の展望台からの眺めになる。

小淵沢駅南側に建つ駅舎と八ヶ岳の関係。
実のトコロ、当サイトの場合「旅のガイド」と銘打っている都合上、雪深かったりとかの如何にも真冬の風景写真だと使いモノにならないので、程々の雪景色しか撮っていないから、このくらいの涼しい写真にてでも読者の方の暑気払いになったのなら、記事を書いていて嬉しく思う。

小淵沢駅中央東線プラットホーム1番線側から眺めた、右のこげ茶色の建物が駅舎で、この屋上に展望台がある。電車は211系。
さて、小淵沢駅だが、プラットホームからでも、北に南八ヶ岳連峰、南に南アルプス甲斐駒ヶ岳が垣間見れる駅として知れ渡っているが、それらの山々をもっと良く眺められるスポットとして、2017年に供用を開始した新駅舎の屋上に展望台が設置された。

コンコース西側に展望台への出入口がある。
小淵沢駅の駅舎は南側に建っていて展望台はこの屋上西側にある。そこへはプラットホーム側から見て、跨線橋を渡りラッチを出た右側に入口があり、ココからさらに階段を上がると着くことができる。
展望台から北に目をやると南八ヶ岳連峰が一望できる。

北側に聳える南八ヶ岳連峰。
展望台から眺められる南八ヶ岳連峰は、左から西岳2,398m、編笠山2,524m、権現岳(西ギボシ、東ギボシ、権現岳山頂2,715m)、三ッ頭2,580mの峰々で、いわゆる南八ヶ岳のうち南端の山々にはなるが、最高峰の赤岳は見えない。
次は南に目をやってみよう。

南側には南アルブス北端の峰々が聳えている。
展望台から眺められる南アルプスは、春の時点で雪を冠している山々としては上写真の範囲になろうか。
左から鳳凰三山(後で紹介)、中央やや右がアサヨ峰2,799m、右が甲斐駒ヶ岳(後で紹介)になる。
それと、確認は取れていないが、写真中央の山脈の向こうにチョロッと山頂テッペンを突き出している山は標高が日本2位の北岳3,193mではないかと思われる。確信は取れていないため間違っていたら申し訳ないので、この発言は聞かなかったことにしていただきたい(汗)。
では、まず上写真右の甲斐駒ヶ岳と、次に左の鳳凰三山を眺めていこう。

甲斐駒ヶ岳山系のアップ。
甲斐駒ヶ岳は小淵沢駅から一番よく見える南アルプスの山であろう。主峰は2,967mで、東(左)に摩利支天2,820mを、背後(右)に駒津峰2,740mを従えている。

鳳凰三山のアップ。
鳳凰三山は、左から薬師ヶ岳2,780m、観音ヶ岳2,841m、地蔵ヶ岳2,704m、赤抜沢ノ頭2,750m、高嶺2,779m。三山と言いつつ山頂が5つある点は深く考えてはいけない。

■運が良ければ富士山を望める日もある
地勢的には、小淵沢駅の展望台から富士山を遠望できることになっているのだが、距離があるため、雨天の日はもちろん、晴れていてもチョット霞が掛かったくらいで見えない状況になることもある。
筆者が訪れた時は運良く富士山が見えたので、その写真も載せておこう。

富士山も天候など条件が揃えば見ることができる。
見えるのは南東方向になる。上写真を見ていただけたら解るが、携帯電話のアンテナ鉄塔が目印になるので探しやすい。
なお、3,776mの富士山といえども7月~9月の期間には山頂に雪を冠っていない(雪渓はある場合がある)
点を申し添えておく。

■電車だって勿論見られる…
なんか山の話ばっかりになってしまったが、小淵沢駅の展望台からは中央東線下り1番線に発着する電車が眺められる。なのでどのように見えるのか、その1番線から発車していくE353系特急「あずさ」の写真も載せておこう。

展望台からの1番線側の眺め。電車はE353系特急「あずさ」で、松本方面へ発車していくシーンを後追い撮影。停止位置はもっと手前にある。
同展望台において、電車しか眺めていないと少し浮くかも知れないが、それもまた楽しいモノである。


話は逸れるが、気象庁さん…「関東以西の九州・四国・本州に、そろそろ梅雨明け宣言出して」(笑)。梅雨明け宣言が出れば身体もそれなりに熱さに対して諦めがついて楽になるのだけれども、梅雨明け宣言が発表されないと、身体が梅雨モードのままのため熱さへの耐性ができていないので、気持ち的にも諸々キツイ。人間の心理なんてそのようなモノ。気象庁さん宜しくお願いしますヨ。まぁ気象庁の方にはこのメッセージは届かないと思うけどネ(爆)。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。