岡山エリアの115系湘南色と同地区近郊形電車諸々の話題

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[場所]JR岡山地区の電化路線区間

JR西日本の岡山エリアといえば、2022年3月19日から381系がかつての国鉄色を蘇らせ、特急「やくも」として走らせ話題をさらっている。その岡山エリアにはもぅ1つ(2編成ある)国鉄色原色を纏っている電車がいる。それは115系湘南色で、3連の編成2本の計6両が存在する。
その岡山エリアは113系・115系にとっての残された楽園のうちの1地区だったが、227系の導入がJR西日本から2021年11月18日に発表され、さらに2022年5月10日には227系岡山色の車輌デザインが発表された。そんなわけで、あと2年くらいで岡山エリアの現存の113系・115系が全て227系へと置き換わるだろうとの予想と、元々いずれ紹介しようと思っていた岡山エリアの115系湘南色の話題を合わせて記事にしていこう。
ところで、前回アップのホーバークラフトの記事では鉄分がある写真が全くないという内容だったため、この度は自責の念に駆られ、全23コマ皆に電車が写っている快挙(笑)を成し遂げてみた。

岡山・備後エリアを彩る115系原色湘南色

115系湘南色は、JR的にはもぉ1箇所の新潟地区が2022年3月12日のダイヤ改正で定期運用から離脱したため、通常的に乗れるのはJRでは岡山エリアの2本のみ、3セクを加えても しなの鉄道115系S3編成 1本の計3本のみになった。そのうちの2本が岡山エリアにいるわけだ。

D-27編成の姫路方。タイトルとの連続写真になる。山陽本線 西川原・就実
編成番号は「D-26」と「D-27」で、D-26編成は2022年2月に、D-27編成は2022年4月に全検出場しているので、おそらく湘南色は岡山エリアでの115系ラストの時期まで活躍する編成になることだろう。

JR岡山駅を和気へ向けて発車するD-27編成。
岡山エリアでは、上の2編成以外の近郊型電車は全て真っ黄色に塗装されていることは皆さんご存知だろう。
次の項ではそんな113系・115系の見分け方を記していこう。

左が113系B-18編成、右が115系D-27編成。JR岡山

岡山エリアの113系と115系の見分け方

113系と115系は、国鉄色の頃は前面の塗り分けで区別がついたが、同じ色に塗られると見分けが付きづらい。113系・115系に詳しい方ならイマさらネタとは思うが、あえてココで記させていただく。

左が113系B-14編成、右が115系D-02編成。山陽本線 庭瀬
■113系
113系は、まず1編成(運転台間)が4連であることで判る。それ以外の両数の編成は全て115系になる。ただし115系にも4連がいるので、次なる注目点が必要になる。それはタイフォンの形。あくまで岡山エリアのことになるが、タイフォンカバーが2つに割れる「シャッター付きタイフォン」なのが115系、カバーが他の形のスリットのタイプやお椀形のタイプが113系になる。

113系のタイフォンがスリットのタイプ。B-10編成福山方。山陽本線 倉敷
上の113系B-10編成の後追い写真。こちらもタイフォンがスリットのタイプ。山陽本線 倉敷
113系のタイフォンがお椀形のタイプ。B-12編成の福山方。山陽本線 庭瀬
上の113系B-12編成の後追い写真。こちらもタイフォンがお椀形のタイプ。山陽本線 庭瀬
■115系

115系4連のA-04編成の福山方。タイフォンは2つに割れるタイプ。山陽本線 庭瀬
上の115系A-04編成の後追い写真。こちらもタイフォンが2つに割れるタイプ。山陽本線 庭瀬
上では形態的分類を記したが、実のトコロ、一番確実なのは編成番号だ。助手席側のガラスに標記されているのがソレで、「B」が113系、「A・D・G」が115系になる。

115系の形態的バラエティを眺める

左が115系2連のG-04編成、右が115系3連のD-14編成。山陽本線 西川原・就実
またまた、あくまで岡山エリアのことになるが、115系の編成は、2連・3連・4連の3パターンある。
それではまず4連のA編成から眺めていこう。

115系の4連A-07編成の福山方。やはりタイフォンが見分けるポイント。山陽本線 倉敷
上の115系A-07編成の後追い写真。こちらもタイフォンは2つに割れるタイプ。倉敷は蔵屋敷のイメージからか、プラットホーム下がなまこ壁柄になっている(笑)。山陽本線 倉敷
115系の4連A編成は基本的に雨樋を外に張り付けたタイプになる。
さて、では113系と115系の見分け方で、サイドに張り上げ屋根タイプと雨樋が外にある2タイプがあることをナゼ注目点に入れなかったのか。それは、115系にも張り上げ屋根タイプがいるからに他ならないし、さらにいえば113系でも中間に雨樋が外にあるタイプの車輌を挟んでいるB-08(被られたため写真なし)のような編成もいるので、その差異は注目点にしなかった。

左右ともに115系。ということで、115系にも張り上げ屋根がある証し。山陽本線 庭瀬
とまぁそんな点を頭の片隅にでも入れて、3連D編成を眺めていこう。

張り上げ屋根の115系D-01編成。山陽本線 西川原・就実
上の115系D-01編成の後追い写真。山陽本線 西川原・就実
雨樋が外にあるタイプの115系D-17編成。山陽本線 庭瀬
上写真とは別だが、115系4連D-25編成の後追い。信号煙管の形が先のとは微妙に違う。山陽本線 庭瀬
福山方は一般的な115系のスタイルをしている115系D-28編成。山陽本線 庭瀬
上の115系D-28編成の後追い撮影だが、なんと姫路方の顔面は切り妻。山陽本線 庭瀬
上写真のD-28編成の姫路方は切り妻の平べったい顔面になっているが、コレは中間電動車からの改造クモハだからこその顔ツキなわけだ。
そして2連G編成のクモハ114も中間電動車からの改造クモハで平べったい顔面をしている。だが、こちらは貫通路なしで、福山・出雲市方に連結されている。

115系2連G-06編成の福山・出雲市方クモハ114の顔面は平べったくて貫通路なし。山陽本線 西川原・就実
上の115系G-06編成の後追い写真。和気方は普通(笑)の顔。山陽本線 西川原・就実
真っ黄色の115系なら山口地区にいるし、抹茶色にまで範囲を広げれば関西地区には115系どころか113系までいるので、この辺の形式の動向的にはそれ程さし迫った感はないが、岡山エリアは227系導入がすでに発表されているので、真っ黄色の117系も含めて、乗って眺めて楽しむなら早い時期が良さそうだ。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。