移設復旧した常磐線富岡駅を訪ねてみた

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[場所]JR常磐線 富岡駅
2011年の東日本大震災で被災した以後、JR常磐線の一部に不通区間が生じていたが、このうち、竜田-富岡 間が、2017年10月21日に運転を再開した。それによって富岡駅が復旧されたのだが、その駅位置が仙台方(常磐線の終点は「岩沼」だが、便宜上この表現を使わせていただく)に移設したという情報が舞い込んでいたため、その真偽を確かめたく、遅ればせながら2018年1月10日に訪ねてきた。
写真メインの記事になるが、ぜひおつき合いいただければ幸いに思う。

富岡駅の1つ東京寄り(常磐線の起点は「日暮里」だが、便宜上この表現を使わせていただく)の竜田駅仙台(北)方の、2015年6月18日時点の眺め。レールはジャングルの中に消え、架線も途切れていた。
この度訪れた2018年1月10日の竜田駅仙台(北)方の前方展望。バラストが入れ替えられ、架線もつながっている。
富岡駅へ東京方(南側)から進入する電車からの前方展望。左手山側から1番線・2番線・3番線になるが、そのうち1番線・2番線には枕木の簡易な車止めが設置されている。
富岡駅3番線へ東京方から進入するE531系5連。線路の奥に見える建造物は福島第二原子力発電所の排気筒。
上写真の撮影地点から反対(仙台)方を向いた光景。着発には、現在は海側の3番線のみが使用されている。運転再開は2017年10月21日なので約2ヶ月半後に訪問したことになる。

訪ねてみた結論から先にいうと、駅の敷地はそのままに、駅舎が100mほど仙台寄りにズレただけだった。だが、駅は敷地的にはズレていないにせよ、せっかく訪ねたのだから、ここで記事にさせていただいた。

2・3番線プラットホーム仙台寄り端からの東京(南)方の眺め。駅設備はすべて新たに作り直されている。
上写真の撮影地点からの反対向き仙台(北)方の眺め。間近の踏切には工事車輛が頻繁に行き来していた。
駅構内の跨線橋上からの東京方の眺め。右に見える橋脚の陸橋が完成すると、この線路が南へ延びる開放的な景色は見られなくなるのだろう。
上写真の撮影地点から反対側(仙台方)の眺め。線路が途中で途切れているのが窺える。

駅舎が移設復旧された理由は、福島県双葉郡富岡町の「まちづくり計画」により、駅前に「交通広場」としてバスのロータリーや駐車場を整備する方針に沿ったことによる。ではそんな話しを念頭に置いて、駅周辺も眺めてよう。

富岡駅舎は100m仙台寄りに移設復旧されたとはいえ、山側に建てられていることに変わりはない。左の「さくらステーションKINONE」は売店で、さらに軽食なども提供販売されていて店の中で食べられる。
東日本大震災前から建っている土蔵が駅北西すぐの場所に健在だった。これにより旧駅舎の位置を割り出すのに役立った。
駅前に設置されたバス乗り場。奥左がJR列車代行バスの停留所。奥右は常磐交通のバス停留所。
駅西南西200mほどの地点にある サンライズインとみおか へ続く坂道の途中からの富岡駅とその周辺の俯瞰。復興への槌音が響き渡っていた。

これにより常磐線の東日本大震災による不通区間は、富岡-浪江 間20.8kmのみになった。この区間も2020年春までに運転を再開する見通しが発表され、除染・復旧工事に着手しているとのことだ。
なお、JR常磐線 駒ヶ嶺-浜吉田 間の線路移設部分の乗車記を2017年1月23日アップの「常磐線の復旧区間の線路移設部分を眺める」(←その記事はココをクリック) で紹介しているので、合わせて読んでいただけると有難い。

5枚上の写真に写っている踏切からの東京(南)方の眺め。左の3番線に枕木の簡易な車止めが設置されているのが判る。
上写真の車止めの反対側を2・3番線プラットホーム仙台寄り端から眺めたところ。車止標識の前の札には「線路一時使用停止」と書かれている。
上々写真の地点からの反対向き仙台(北)方の眺め。線路はここから北方では築堤になっている。
上写真の線路左沿いの道を300mほど仙台方に進んだ位置から右に築堤を見上げると、この架線が途切れた光景に出くわす。
上写真の場所で架線が途切れていたのは、その先の富岡川で橋梁の架け替え工事が行なわれているため。さらにその先には架線は続いている。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。