レールから煙!? いいえ、違います←それなら何?

鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内

[場所]東京メトロ東西線 中野駅東側スグ

東京メトロ東西線 中野駅はJR中央線との接続駅で、東西線と中央緩行線は一部の列車で相互直通運転を行っており、東西線地下区間への坑門が西船橋寄り(東側)スグの所にある。
ところで、この坑門前にあるシーサスのダイヤモンドクロッシング部レールから煙のようなスモークがモクモクと湧き立っているのを目撃した方は多いのではないだろうか。筆者もその一人で、気になっていたので、先日に何なのかを確かめるべく眺めに行ってきた。

中野駅の5番線より東向きにスモークモクモク部分を眺めたトコロ。車輛は東西線B線から3番線へ進入する東京メトロ05系。ちなみにタイトルは東西線B線から4番線へ進入する東京メトロ05系。
上と同地点からで、2番線から千葉方面(左)へ発車していく中央総武緩行線東行電車。車輛はJRE231系500番台。なお2番線ホームだとスモークモクモク部分がすぐ脇に見れる。
すでに御存知の人が多いと思うので早々に正体を明かすと、これは「レールミスト」というシステムで、湧き立っているのは煙ではなくミスト(霧)になる。設置されたのは2016年8月、納入したメーカーは能美防災株式会社とのこと。
設けた理由は、夏場におけるレールの温度上昇による伸長を水道水の噴霧によって冷却して抑制するため。仕組としては、水が蒸散する際の気化熱の吸収を利用しており、これにより地上の局所の温度を2℃~3℃冷やすことができる。ある意味、ドライミスト(夏に建物の出入口や歩道などで上から水を噴霧している設備)を応用した技術と言えば解りやすいだろう。

中野駅2番線ホームより北向きに眺めた、ダイヤモンドクロッシング部に設置されているレールミスト全景。煙ではないことが解りホッとした。右のドラム缶は水を溜める装置だろうか? 顔のようなイラストが描かれているのが愉快。車輛は手前が4番線から東西線A線(右)へ発車していく東京メトロ05系。奥は中央快速電車JRE233系。
レールミストのノズル部分のアップ。レールサイドへ噴射しているのが解る。
レールミストは中央緩行線からの方が良く見える。電車は5番線から千葉方面(右)へ発車していく中央総武緩行線東行。車輛はJRE231系500番台。
なので、レールミストは暑い日だけに見られる夏の風物詩といえる。
そして「中野駅東側のレールから湧き立っている煙のようなモノはミストです。燃えているわけでありません。ご安心ください。」というセリフを一言添えておこう。
とはいえ見慣れぬ光景だから、これからも毎夏「レールから煙が出てる…」として注目の的になることだろう(笑)。
なお似たモノで、急曲線区間に設置されているスプリンクラーのような装置が、京急蒲田駅羽田線側など各地にあるが、こちらはカーブレールとフランジにより発生する音を低減する目的で設置されていて、レールミストとは別モノになる。それも一年中見られるので、目撃の稀少さもあまりない。

中央緩行線に休日に乗って焦ったこと

本題と逸れるが、実は筆者はJR総武緩行線沿線住民なのだけど、線路がつながっているJR中央緩行線と並行しているJR中央快速線の「快速」が土休日には高円寺・阿佐ヶ谷・西荻窪の各駅に停車しないことをスッカリ忘れていた(汗)。
訪れたのが日曜日だったのだが、中野駅の乗り換え通路や緩行1・2番線ホームがやたら混んでいて焦り、思い出したしだい。
チョット前の平日の日中に中央緩行に乗った時は車内はガラガラだったが中央快速は上記3駅に停まってるのに、土休日の中央緩行は車内激混みな上に阿佐ヶ谷駅などはプラットホームも混雑していて階段へたどり着くのに難儀する程でも中央快速は上記3駅を通過してしまう。
中野駅の東西線⇔中央緩行線の発着番線はややこしいのに、ヨソからの利用者が多い(と思う)土休日に乗り換える率が増える運行形態になっているのも不思議でならない。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。