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[場所]京阪電鉄京阪本線 萱島駅
プラットホームに樹木が立っている駅は全国にそれなりにあるが、関西には高架下の地面に生えた樹木がプラットホームを突き抜け、さらに屋根をも突き抜けて聳え立っている大胆な構造の駅がある。それは京阪電鉄京阪本線 萱島駅で、おそらく日本ではここだけではないかと思い、訪ねてみた。
着いてみると、樹木は楠ノ木の大木で、下り線(淀屋橋方面)の3・4番線プラットホーム側を突き抜けて立っていた。
京阪本線の萱島駅前後の高架複々線は、起工式が1972年で、完成が1980年なので、そんな歴史からは、まず大楠ありきで、高架複々線が大楠を避けて囲むように建設されたのは一目瞭然だろう。そんなわけで、タイトルの「プラットホームや屋根を突き抜けて立つ」という言葉は本末転倒だが、ネタとして大袈裟に表現したかったのでお許し願いたい。
その根元まできて上を仰ぐと、ちょうどプラットホームに開けられた穴が見え、さらに屋根もそこだけ無く、たまたま訪れたのが雨天の日ということもあり、雨がこの部分にだけ降り注いでいるのが実感できた。
樹木を残すための保存スタイルなので当たり前といってしまえばその通りなのだが、粋な計らいだともいえるだろう。
ここに京阪電鉄が社殿を寄進して「萱島神社」として1980年(昭和55年)に再興された。
なお、萱島駅は2001年9月21日に「第2回 近畿の駅百選」に認定されている。
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[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。