福井県田原町駅の乗り換えスタイルを眺める

鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内

[場所]えちぜん鉄道田原町駅・福井鉄道田原町駅

2022年は梅雨が6月下旬に明けたためか、7月初旬において猛暑がすでに始まっている。そんな状況の中で涼しい写真の記事は何か書けないかとネタを探したら、出てきたのが冬に撮った福井県の田原町駅における福井鉄道福武線田原町駅↔︎えちぜん鉄道三国芦原線田原町駅との乗り換えスタイルの話題になる(汗)。

福井鉄道福武線の駅舎前に立つ駅案内図。上が北。
ところで、上では「乗り換えスタイル」と記したが、一部列車は福武線↔︎三国芦原線鷲塚針原駅までで相互乗り入れ運転をしており、この系統を「フェニックス田原町ライン」と呼び、乗り換えなしで鷲塚針原方面↔︎越前武生方面間を直通できる。ただし、その三国芦原線↔︎福武線との相互乗り入れ列車は福井城趾大名町から分岐しての福井駅までには一旦寄らずに直行する点を申し添えておく。
まずは、そんな相互乗り入れ列車から眺めていこう。

■2番線…三国芦原線→福武線
田原町駅は鷲塚針原(三国港)方に両線の分岐があるヤヤY字構造で、南(福武線)側から1番線福井鉄道福武線折り返し、2番線福武線↔︎三国芦原線(鷲塚針原)フェニックス田原町ライン直通上り・下り、3番線えちぜん鉄道三国芦原線上り・下りという2面3線の配線になっている。まずは2番線の鷲塚針原方→福武線方への到着→発車を見てみよう。

3番線三国芦原線高床車用ホーム三国港寄りから眺めた、鷲塚針原(西)方。右が本線で、車輛はえちぜん鉄道L形ki-bo。左は引き上げ線で、車輛は福井鉄道880形。
上と同地点からの連続撮影で、本線分岐器を左に渡って2番線フェニックス田原町ライン低床車ホームへ進入する えちぜん鉄道L形ki-bo。
L形ki-boが停まっているのが2番線フェニックス田原町ラインホームで、右が3番線三国芦原線ホーム。床面高さの異なり具合が判る。
フェニックス田原町ラインを越前武生方面へと発車していくL形ki-bo。
田原町駅は元々福武線↔︎三国芦原線との乗り換え駅であっても線路自体は繋がっていなかった。だが、同駅にて線路が接続され2016年3月27日から「フェニックス田原町ライン」として相互直通運転を開始した。
ところで、えちぜん鉄道は以前には「京福電鉄福井本社」の路線だったことは当サイトの読者ならご存知だろう。その京福電鉄福井本社の路線は2001年6月25日から全線営業休止、2003年7月20日から えちぜん鉄道 となり正式営業を再開している。この間の経緯は話が長くなるので省略。

■3番線…三国芦原線上り・下り
では、えちぜん鉄道三国芦原線上り列車の三国港(鷲塚針原)方からの到着→発車を見ていこう。

三国芦原線電車内の三国港(鷲塚針原)方からの3番線の後面展望。先にあるのが本線分岐器。
三国港寄りから3番線へ進入する えちぜん鉄道MC6101形。
上とは別の列車になるが、田原町駅から三国芦原線福井(東)方へ発車してゆく えちぜん鉄道MC7000形。
上の一連の写真で判る通り、フェニックス田原町ラインの電車は低床車で、えちぜん鉄道線内のみ運行の電車は高床車なのが見て取れるだろう。福武線側は主に低床車で運行しているので問題ないが、では三国芦原線 田原町-鷲塚針原 間のプラットホームはどのようになっているのか? 気になった方も居るのではなかろうか。
実は、田原町-鷲塚針原 間の一部を除く各駅には高床車用ホームの他に低床車用のホームも設置して対応している。ただし、上で「一部を除く」と記したが、中角駅には低床車用ホームが設置されていないためフェニックス田原町ラインの電車については通過となる。
また、臨時駅の仁愛グランド前駅は年に数日しか使用しない駅のため低床車用ホームはやはり設置されておらず低床車は通過するが、当然高床車も特別な日以外の普段は通過する。

■1番線…福武線折り返し
次は、1番線の福武線折り返し電車を対面の2番線からと、駅南東寄りにあるフェニックス通りに架かる歩道橋上からの眺めで見ていこう。

三国芦原線電車の到着時には、先ほど引き上げ線にいた福井鉄道880形がすでに1番線にて待機している。
上とは別の列車になるが、1番線より発車する福武線の電車で、手前左が越前武生(南)方。車輛は福井鉄道770形。
Y字配線の間の広場に立つ案内図。上が南。
■2番線…福武線→三国芦原線
上写真と同じ歩道橋上などからのフェニックス田原町ライン福武線→三国芦原線の到着→発車を眺めていこう。

福井鉄道越前武生(南)方から田原町駅へ到着するフェニックス田原町ラインの電車。車輛はF1000形。
上の連続撮影で、フェニックス田原町ラインの電車なので駅東側(越前武生寄り)の渡り線を渡り2番線へ進入する。
2番線へ到着したフェニックス田原町ラインの電車。

そして乗り換えスタイル

上までの項で駅配線と各番線の使用状況を説明してきたが、ここからは駅構造と乗り換えのスタイルを見ていこう。

えちぜん鉄道の駅舎脇に掲げられている「構内ごあんない」。2022年2月22日アップの記事で福井鉄道の掲示のように記してしまって、失礼いたしました。
先にも記しているが、田原町駅はヤヤY字構造になっていて、南側から1番線〜3番線と並んでいる。
1番線の南側には福井鉄道の駅舎が建っており、そこの出入口を通り両路線の各プラットホームへと構内踏切を渡って、行くことができる。

福井鉄道の駅舎外観。左が鷲塚針原(西)方、右が越前武生(東)方。
上と同じ側で、出入口から構内踏切を眺めたトコロ。
福井鉄道の駅舎の出入口をくぐってスグの、左にある片側1面低床用ホームが1番線の福武線折り返し線。

1番線からの鷲塚針原(西)方の眺め。
駅舎をくぐった先からは、構内踏切で2番線フェニックス田原町ラインと3番線三国芦原線の島式段違い1面2線ホームへと渡ることができる。
この島式ホームの中には えちぜん鉄道 の駅舎が建っている。

2番線からの鷲塚針原(西)方の眺め。左が構内踏切。その先が1番線で、電車は福井鉄道880形。
えちぜん鉄道の駅舎へは別ルートで、Y字の間にある駅前広場から直接行くことができる。

フェニックス通りに架かる歩道橋上から眺めた田原町駅の全景で、左から1番線〜2番線〜3番線。右の列車は3番線へ到着する三国芦原線の電車で、左が三国港(西)方、右が福井(東)方。車輛は えちぜん鉄道MC7000形。
ということで、こちらY字の間の駅前広場側から入っても構内踏切を利用して1番線福武線の折り返し線ホームへと行くこともできる。

こちらが えちぜん鉄道 側の出入口で、奥が鷲塚針原(西)方。左が1番線で右が2番線。
えちぜん鉄道の駅舎では「えち鉄オリジナルグッズ」も売っている。
田原町駅のY字構造の間にある駅前広場に立っている「周辺案内図」にてこの項を〆よう。

Y字配線の間の広場に立つ「周辺案内図」。上が北。

福井にアメリカンバス!?

フェニックス通りに架かる歩道橋上から田原町駅の写真と えちぜん鉄道 三国芦原線の踏切の写真を撮っていたら通り北方からアメリカンバスが現れたので、とりあえず写真を撮っておいた。

田原町駅前の三国芦原線の踏切を渡るアメリカンバス。ドアが右側にあるのがアメリカン。
福井市にアメリカンハイスクールがあるのかと思い、検索をしたが該当なし(笑)。
事務所に戻り、このアメリカンバスの正体を調べたトコロ、「FOOD TRUCK U.S.A EAT ME」というキッチンカーとのこと。
ホットドックなどを販売しているとのことで、福井では有名らしいので、本題とはズレるが、せっかくだからココで紹介しておく。
詳しくは下記URLから。
https://fkca.net/member/foodtruck-eatme/

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。