大井川本線EL牽引旧型客車普通列車運転など大鉄の話題

鉄道が主役の旅スタイルを応援する見どころ案内

[場所]大井川鐵道 大井川本線新金谷-家山

静岡県の大井川鐵道では、2023年6月平日の20日〜22日と、27日〜30日の間に晩の普通列車をEL(電気機関車)牽引旧型客車で運転する。それと、7月運転予定のビール電車+家山駅ビアホームツアーの参加者を募集している。さらに、9月に催行予定の大鉄アドバンス静岡ツアーセンターが開催の「大井川鐵道名物広報・山本豊福と行く 復旧に向けてガンバレ! FDAで行く大井川鐵道&くま川鉄道&JR肥薩線+全線復旧 南阿蘇鉄道」応援ツアー企画の話題を纏めて紹介していこう。

画像:大井川鐵道

EL牽引の旧型客車普通列車を平日晩に運転

大井川鐵道は、2022年9月23日深夜~24日未明に沿線に降った大雨により大井川本線は家山-千頭間で不通になっていて、同区間は代行バスによる運行になっている。
そのような状況の大井川なので、現在鉄道線として運転されているのは金谷-家山間になるが、この区間を活用して、新金谷→家山→金谷間において6月20日(火)〜22日(木)と27日(火)〜30日(金)に、夕方からの普通列車をEL牽引の旧型客車にて運行する。

大井川鐵道のEL牽引旧型客車列車。タイトル写真とも編成が異なるのでイメージ。画像:大井川鐵道
旧型客車の車内。ボックスシートがズラリと並ぶ。画像:大井川鐵道
編成と運転時刻は下記の図の通り。

この度のEL牽引旧型客車普通列車の編成表。図表:大井川鐵道
この度のEL牽引旧型客車普通列車の運行表。図表:大井川鐵道
そしてなんと、旧型客車普通列車には車内販売員も乗務。瓶入りの飲み物やお酒、軽食・お菓子など「旅のお供」が販売されるとのこと。

窓側テーブル下の栓抜き(スハフ432にはありません)。画像:大井川鐵道
大井川鐵道からの「たとえば」として、新金谷駅から乗車の場合、同駅において「大井川本線フリーきっぷ1人3,500円」を購入すれば、何往復かする人だったら乗車券を都度購入する手間が省ける…との提案もある。

プレスリリースに車内補充券の写真も入っていた。意味するトコロはもしや!? 画像:大井川鐵道
この件のお問い合わせ:大井川鐵道営業部 0547-45-4112(9時〜17時)

※2023年6月21日 筆者追記:EL牽引旧型客車普通列車の運転日に、2023年7月1日(土)〜13日(木)が追加されました。この度の追加日には土・日も含まれています。

通勤形電車内で一杯! & 家山駅で生ビール飲み放題?

2023年7月中旬からの話になるが、この夏、そのような一部区間バス代行運転を行なっている大井川本線において、鉄道で運行されている区間を活用して、7月14日(金)〜9月30日(土)のウイークエンド(お盆日曜祝日を除く)の晩に、新金谷→家山(ビアホーム)→金谷 という行路にて「ビール電車」を運行する。

画像:大井川鐵道
使用車両は、ナント通勤形の7200形で、だからなのかキャッチコピーが「通勤客を運んでいた電車の車内で背徳感なしで缶ビールを呷っちゃいましょう…」となっていて恐れ入る。

ビール電車に使用される7200系は元・東急の車輛。車内にはロングシートを備えている。画像:大井川鐵道
下の図表にある通り、家山駅ホームにはビールサーバーが設置され、ココでは生ビールが飲み放題になる。そしてコレを「ビアホーム」と称するらしい。

夜の家山駅。ツアー開催日にはココに「ビアホーム」が設置される。画像:大井川鐵道
運転日時&運行時刻などは下記の図にて。

図表:大井川鐵道
上の表内URLからはリンクできないので、この列車の詳細、および「お申込みフォーム」へのリンクは下記URLにて。
https://daitetsu.jp/archives/event/beer-train_2023

まもなく全通の南阿蘇鉄道などへ9月に乗りに行くツアー

2016年4月の熊本震災で甚大な被害を受けた南阿蘇鉄道が2023年7月15日に全線開通予定という喜ばしいニュースが入ってきた。
さて、まだ先の話になるが、2023年9月22日(金)〜24日(日)間に、大鉄アドバンス静岡ツアーセンターが、その南阿蘇鉄道を含む、自然災害により被災して一部不通になっている4路線(アップ日時点基準)を訪ねる訪問ツアーを企画している。

大井川本線は2022年9月の豪雨により鉄道線は家山-千頭間が不通になっており、この区間は代行バスにより運行されている。写真は神尾-福用間の土砂崩れ現場で、現在は復旧して列車が運行されている区間なのでイメージ。
訪問する鉄道は、大井川鐵道はもちろんのこと、上記の南阿蘇鉄道と、さらに2020年7月の集中豪雨により、いまだに一部区間運休している熊本県のくま川鉄道で、加えてJR九州肥薩線のうち運休区間の八代-吉松間の人吉市内に宿泊するツアーになっている。

南阿蘇鉄道のトロッコ列車。画像提供:大井川鐵道
このツアーの注目点は、大井川鐵道の名物広報と呼ばれている山本豊福氏が全行程を同行してくれて、さらに、くま川鉄道を訪問する時には同社の永江社長が同行していただけて復旧にあたっての話が訊けるという、おそらくだが鉄道土木とかに興味がある方なら、かなり身になるであろう旅行企画と言えそうだ。

くま川鉄道の観光列車「田園シンフォニー」。画像提供:大井川鐵道
行程や料金などは下記の図表を見ていただきたい。

図表:大井川鐵道
なお、帰路に離陸で利用する空港が鹿児島空港なので、人吉から向かう経路上にある嘉例川駅とかにも寄ったりするなど、見どころも多いツアーと言えるかもしれない。

ツアーコースで訪問する嘉例川駅の駅舎。画像提供:大井川鐵道
上の表内のURLからはリンクできないので、このツアーの詳細、および「予約フォーム」へのリンクは下記URLにて。
https://travel.daitetsu-adv.co.jp/sstsp2/

大井川鐵道のSL列車は、新金谷→家山の片道乗車。画像:大井川鐵道
上の図表を見てくれた方なら解ると思うが、1日目の集合は静岡駅南口で、大井川鐵道のSL列車には下りのみ乗車して、家山駅からバスにて富士山静岡空港へと向かう行程になっている。
そして3日目の解散は富士山静岡空港とのことだ。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。