仙石東北ラインに走っているのは どんな車輛!?

鉄道旅を一層たのしくする車窓・施設案内シリーズです。

仙石東北ラインのおさらいをしよう

2015年5月30日にJR仙石線が全線運転再開とともに、同日に仙石東北ラインが運行を開始。東北本線の仙台駅から東北本線を走行して、松島駅仙台寄り約600mにある分岐点(営業上は松島駅構内)から接続線を介し、300m先にある分岐点(営業上は高城町駅構内)から仙石線に入り、石巻駅まで直通運転を開始している。

そして、東北本線のこの区間は交流電化、仙石線は直流電化であるということは、当サイトの閲覧者の皆さんはすでにご存じのことと思う。

まずは、東北本線下り列車からの前面展望で東北本線から仙石線へ入る様子を見ていこう。松島駅の仙台寄り600mくらいの地点から片渡り線、続いて右分岐で接続線へ入っていく。
まずは、東北本線下り列車からの前面展望で東北本線から仙石線へ入る様子を見ていこう。松島駅の仙台寄り600mくらいの地点から片渡り線、続いて右分岐で接続線へ入っていく。


接続線に入ると、そこには架線がない。左に分かれてゆくのが東北本線。右が仙石線。
接続線に入ると、そこには架線がない。左に分かれてゆくのが東北本線。右が仙石線。

そして約300m程で仙石線と合流する。
そして約300m程で仙石線と合流する。

次は、上り列車で仙石線から東北本線へ入る様子。高城町駅仙台寄り約1kmの地点から右分岐で接続線へ入っていく。
次は、上り列車で仙石線から東北本線へ入る様子。高城町駅仙台寄り約1kmの地点から右分岐で接続線へ入っていく。

そして約300mで東北本線上り線と合流する。左に分かれてゆくのが仙石線。
そして約300mで東北本線上り線と合流する。左に分かれてゆくのが仙石線。

ではこの区間に使用されている車輛はどんなモノなのか? そんなの今さらというガチテツの方には本文はスルーしていただき、写真で新線部分の乗車気分でも味わっていただければ幸いである。

ディーゼルだけどモーターで走るHB-E210

仙石線 陸前山下-虻田間を走行するHB-E210系気動車。当然ながらパンタグラフはない。屋根上に載っているのは手前からリチウムイオン蓄電池、クーラー、元空気溜の一部。
仙石線 陸前山下-虻田間を走行するHB-E210系気動車。当然ながらパンタグラフはない。屋根上に載っているのは手前からリチウムイオン蓄電池、クーラー、元空気溜の一部。

さて、使用されているのはディーゼルハイブリッドシステム車輛HB-E210系という形式のハイブリッド気動車で、従来の液体式気動車のようなエンジンの回転を変速機を介して車輪を回す動力伝達方式の気動車と違い、大別すれば、エンジン発電機により得た電力によりモータを回して走行する電気式気動車の仲間になるが、ディーゼルハイブリッドシステム車輛と言われるゆえんは、大まかに解説すると、エンジン発電機により得た電力をコンバータにより直流に換えて、それをリチウムイオン蓄電池に充電し、低速力行中はその電力をVVVFインバータを介して三相交流にしてMT78形かご形三相誘導電動機により車輪を回し、また中高速力行時には上記エンジン発電機からの電力をコンバータを介して直流に変えた電力を組み合わせて、それをVVVFインバータを介して三相交流にしてMT78形かご形三相誘導電動機により車輪を回して走行するという仕組みになっており、さらに停車中や惰行時にはエンジン発電機のアイドリングストップをし、制動時には回生ブレーキによりモータから発生した交流の電力をVVVFインバータを介して蓄電池に充電させるシステムも備えている。細かいシステムはまだまだあるが、これらにより、燃料消費量を低減する他、窒素酸化物(NOx)と粒子状物質(PM)の排出量を約6割低減しているとのことだ。
走行音は電車のようであっても、実質的にはエンジンにより動力を発生させているという、そんな車輛により実現できた交流直流の直通運転なのだ。
仙石線 東名-陸前大塚間の新線切り替え地点付近を走るHB-E210系気動車。旧線は右の海岸線沿いに通っていた。
仙石線 東名-陸前大塚間の新線切り替え地点付近を走るHB-E210系気動車。旧線は右の海岸線沿いに通っていた。

仙石線 現・野蒜駅ホームから眺めた旧・野蒜駅跡。
仙石線 現・野蒜駅ホームから眺めた旧・野蒜駅跡。

その旧・野蒜駅跡は、ホーム部分のみレールが外されずに残っていた。
その旧・野蒜駅跡は、ホーム部分のみレールが外されずに残っていた。

タイトル写真の仙石線 野蒜-陸前小野間のお立ち台から、反対向き石巻方の新線切り替え地点の眺め。HB-E210系気動車がいる少し右寄りから新線であるが、途中から高架の橋脚のタイプが変わっているのは、おそらく右は旧高架線の基礎を流用しているためであろう。そしてさらにその右奥の堤防の先に架かるのは鳴瀬川橋梁で、2000年6月25日に架け替えられており、それ以前には少し上流(写真では左)に架かっていた。ちなみにこの鳴瀬川橋梁はプレストレスト・コンクリート構造下路桁のフィンバック形式という構造をしており、1999年度に土木学会田中賞・日本コンクリート工学協会作品賞、2001年度に土木学会デザイン賞優秀賞を受賞している。
タイトル写真の仙石線 野蒜-陸前小野間のお立ち台から、反対向き石巻方の新線切り替え地点の眺め。HB-E210系気動車がいる少し右寄りから新線であるが、途中から高架の橋脚のタイプが変わっているのは、おそらく右は旧高架線の基礎を流用しているためであろう。そしてさらにその右奥の堤防の先に架かるのは鳴瀬川橋梁で、2000年6月25日に架け替えられており、それ以前には少し上流(写真では左)に架かっていた。ちなみにこの鳴瀬川橋梁はプレストレスト・コンクリート構造下路桁のフィンバック形式という構造をしており、1999年度に土木学会田中賞・日本コンクリート工学協会作品賞、2001年度に土木学会デザイン賞優秀賞を受賞している。

このハイブリッド気動車の形式はHB-E210系と、「HB」が頭に付くが、ハイブリッド気動車としての先輩にあたる2007年に登場した先行量産車キハE200には「HB」が付かない。これは2010年に登場したHB-E300系気動車からハイブリッド気動車については「キハ(ロ)」の形式称号にかえて「HB-」の記号を用いることとしたためである。

営業キロ設定の記録を更新

もう一つ、仙石線・東北本線接続線の話しであるが、この区間の松島-高城町 間の営業キロは0.3kmに設定された。これができたことによりそれまでの最短駅間であった仙石線 あおば通り-仙台 間、東北本線 日暮里-西日暮里 間、境線 博労町-富士見町 間の営業キロ0.5kmを短さで上回り、JRグループの中で最短駅間距離を更新した。
しかし、乗車してみると東北本線側では松島駅を通らないし、東北本線から分岐した地点から高城町駅まで地図上で換算しても1km以上あり、乗車していても0.3kmという実感が湧かないので、それまで最短駅間距離だった区間からすると、何とも釈然としない記録である。
では、この0.3kmという距離はどのようにして決まったのか。それは、東北本線の分岐点の上下線中心と、仙石線の分岐点の間の線路の長さとのこと。何とも良心的な距離設定である。

石巻駅では、仮面ライダー1号とサイボーグ001・003・009が待っているぞ。
石巻駅では、仮面ライダー1号とサイボーグ001・003・009が待っているぞ。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。

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