祝・JR九州豊肥本線2020年8月8日全線開通に寄せて

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[場所]JR豊肥本線 肥後大津-阿蘇

JR九州の豊肥本線は、2016年4月14日の熊本地震前震により一部区間で運転を見合わせ、さらに16日の本震によって立野-赤水間に重大な被害が発生したため、肥後大津-阿蘇間が長期間に渡って不通になっていたが、2020年8月8日(土)に同区間がいよいよ営業運転を再開する。
なお記事中の写真一連(一番下を除く)は、運休期間の2018年7月29日に筆者が阿蘇駅をたまたま訪れた時に撮った、運転再開をず~と待つ阿蘇駅の表情で綴っていることを申し添えておく。

阿蘇駅1番線ホームからの熊本方の眺め。写真中央にある踏切までは線路がかろうじて見える。
上写真中央の踏切から熊本方を見たところ。2018年には立野のスイッチバックへと続くレールは草に埋もれていた。
上と同地点からの反対(大分)方を眺めたところ。ココまでの線路は引き上げ線に使っていたのか、レールはわずかに光っていた。2番線の車輛はキハ220形200番台。
豊肥本線肥後大津-阿蘇間営業運転再開の2020年8月8日から、それまで阿蘇-別府間の運転だった特急「あそぼーい!」と「九州横断特急」が熊本-別府間の運転になり、また特急「あそ」が熊本-宮地間に復活と、運行体系の見直しが行われる。
これにより、阿蘇カルデラ内への交通の便が良くなるのと、外輪山を越えるための3段スイッチバック区間の復活によって鉄道旅ならではの楽しみも戻ってくる。

阿蘇駅1番線へ大分方から進入するキハ183系1000番台使用の上り特急「あそぼーい!」。
1番線ホームにある「くろ駅長室」はキッズに人気の展示物だけど、2018年当時は特急「あそぼーい!」が到着するもニギワイがイマイチだった。
なお、この全線開通を祝して、JR九州では「スイッチオン!豊肥本線全線開通プロジェクト」なるキャンペーンを2021年1月11日まで、大分県側も含めた豊肥本線全体において展開している。詳細は下記URLにて。
https://www.jrkyushu.co.jp/train/hohi/

2番線にある「レストラン火星」は本来ならななつ星in九州専用だが「スイッチオン!豊肥本線全線開通プロジェクト」の一環で、2020年8月8日(土)〜10日(月)3日間のみ期間限定でオープン。時間は10時〜17時。詳しくは下記URLにて。
https://www.jrkyushu.co.jp/common/inc/news/newtopics/__icsFiles/afieldfile/2020/07/22/200722nanatsuboshi_omise.pdf
2018年時に阿蘇駅に張られていた「阿蘇駅開業100周年」の横断幕。
2018年の「阿蘇駅開業100周年」時では、周りの状況もあってか旅行ムードの盛り上がりイマイチだったが、2020年の阿蘇界隈は鉄道で訪れてみたい場所になりそうだ。

あとどうでもイイ話なのだけど、筆者はユーチューブに立野→赤水間のスッチバック区間を登るSLあそBOYのいまは想い出過去動画をアップしてある。なのでせっかくだからココで紹介しておこう。気が向いたら下記URLよりどうぞ(笑)。
https://youtu.be/x3YmNWAq-K4

動画の一場面写真で、撮影日時は2000年8月14日。SLあそBOYは、1988年8月28日の運転開始から2005年8月28日までの間、週末を中心に1日1往復運転されていた。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。