新潟駅新在特急対面乗換スタイルを眺める+万代口の話題

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[場所]JR上越新幹線など 新潟駅 

在来線で対面乗換できる駅は日本各地にあるし、新幹線同士で対面乗換できる駅もそれなりにあるが、新幹線⇔在来線特急(対標準軌の在来線は除外)が対面乗換できる駅は、日本には2箇所しかない。
それはJR北海道 新函館北斗駅 と ココで紹介するJR東日本 新潟駅で、以前はJR九州 新八代駅 もその一つだったが2011年3月12日の九州新幹線全通により対面乗換は廃止されたので、この2駅になる。
このうち、新函館北斗駅は現時点では新幹線⇔在来線特急の対面乗換設備だが、将来的な北海道新幹線全通の暁には函館ライナーとの同一平面乗換設備がメインとなる色合いが濃い。これに対し、新潟駅の新幹線⇔在来線特急の対面乗換スタイルは、現時点の新幹線整備計画から鑑みた場合、将来ほぼ恒久的に使用される設備だと予想できる。

新幹線のりかえホーム側からの在来線5番線の眺め。電車はその5番線ホームに停車するE653系使用の特急「いなほ」。左が越後線方で右が白新線方になる。
在来線5番線側から「ホーム西改札」越しに眺めた新幹線11番線ホームに停車しているE7系で、左が新潟新幹線車両センター方、右が東京方。11番線はこの「のりかえホーム」と、反対側には通常の島式ホームがあり、「いなほ」接続の「とき」はこちら(北)側もドア扱いするのでドアは両側が開く。
新潟駅の新幹線⇔在来線特急の対面乗換設備は新幹線ホーム11番線「のりかえホーム」⇔在来線高架ホーム5番線の間にある。なお、新幹線11番線は線路の両側にホームが設置されており、このうち北側の11番線のりかえホームが本テーマの対象になる。
ともあれ対面乗換とはいっても新幹線⇔在来線の乗換設備なので両ホーム間には改札口を設けなくてはならず、そこに利用者が集中してしまうと利便性の効果が薄れるが、ここの場合「ホーム西改札」と「ホーム東改札」の2つがあり、利用者の分散および動線が短くなるよう配慮がなされている。
それでは、新在対面乗換の基本形になるであろう新潟駅の乗換スタイルを、まずは「ホーム西改札」から眺めていこう。

新幹線ホーム側から眺めた「ホーム西改札」。改札上の発車標の「5番線」標記にとりあえず注目。
在来線5番線側から眺めた「ホーム西改札」。改札上の発車標の標記は「のりかえホーム」になっている。電車はE4系。
5番線のホーム西改札付近からの在来線東(新発田・新津)方の眺め。右のE7系は「とき」で、東京からの「いなほ」接続列車なのでのりかえホーム側のドアが開いている。改札上の発車標が「回送」を表示しているのは、この後に新潟新幹線車両センター方に引き上げるためだ。
5番線のホーム西改札付近からの在来線西(柏崎)方の眺め。
ホーム西改札の5番線ホーム側に掲げられた新幹線乗車口案内。8両編成の東京寄りが改札の対面から外れるようだ。そして上にのりかえホーム側のドアが反対(島式ホーム)側より先に閉まることが記されている。
5番線ホームには特急「いなほ」の編成表も掲げられているので親切だ。これはホーム西改札の掲示。
新潟駅の新在対面乗換設備の使用開始日は在来線高架駅が第一期開業した2018年4月15日で、新函館北斗駅の新在対面乗換設備の使用開始が北海道新幹線開通の2016年3月26日だから、新潟駅の方が新しい。
それもあってか、新函館北斗駅は対面乗換ができる新幹線ホームが11番線だけでほぼ上り列車用だが、新潟駅は特急「いなほ」を5番線に発着させ、これに丁度よく接続する「とき」を11番線のりかえホームに発着させる配慮がなされている。
その「とき」到着の際だが、ドアはまず進行右の島式ホーム側が開き、続いて進行左の「のりかえホーム」側が開くということも記しておこう。
ところで、上記の新函館北斗駅の説明に「ほぼ」との文言をあえて入れたのは、実は筆者は下り「はやぶさ」を利用した中で1回だけ列車が20分程遅れたため、接続の特急「スーパー北斗」との乗換をたやすくするためか、11番線(東京方面)に運良く(笑)到着したケースがあるので、その例からすると上下発着番線を厳密に分けてはいないことになるからだ。
次は「ホーム東改札」を見ていこう。

在来線5番線側から眺めた「ホーム東改札」。ホームドアの戸袋ユニットに新幹線の編成表が貼ってあるのがわかる。
5番線のホーム東改札付近からの在来線東(新発田・新津)方の眺め。新幹線からのりかえホームへの乗客が全て改札を通るとゲートがしばし閉鎖される。左の新幹線電車は新潟車両センター方へ引き上げるE7系の回送。
5番線のホーム東改札付近からの在来線西(柏崎)方の眺め。5番線ホームには一般車もやってくる。車輛は129系使用の越後線普通内野行。
ホーム東改札の5番線ホーム側に掲げられた新幹線乗車口案内。ホーム西改札では8両編成の東京寄りが対面から外れていたが、こちら側は対面が全て編成中に収まっている。
5番線ホーム東改札の特急「いなほ」の編成表。
ちなみに、文中では新幹線側のりかえホームに駅構造の便宜上「11番線」の語句を使用しているが、駅ホームの表示は「のりかえホーム」のみである点を申し添えておく。

万代口の話題

チョット古い出来事になるが、2020年10月9日に新潟駅の万代口改札ときっぷうりばなどが移転して、万代口側の元駅舎内施設が全て利用できなくなった。

2020年10月9日に閉鎖された万代口駅舎の全景。
万代口駅舎の仮囲いに貼られた、万代口移転を知らせるポスター。ちなみに下が北。
これにより駅舎撤去工事が本格的に始まったことになる。

新潟駅構内の仮囲いに貼られた、新潟駅周辺整備事業の概要を伝えるポスター。
工期や事業の概要は上写真でだいたいのことは解ると思うが、もっと詳しく知りたい方のために、その事業計画の新潟市のURLも載せておこう。
https://www.city.niigata.lg.jp/smph/kurashi/doro/ekisyu/ekimaehiroba/ekimaehiroba.html
なお、上写真内に示している「全線高架化(2021年度頃)」が完了した暁には、現在 新津・新発田寄り にある地平ホームの8・9番線は廃止される。

地平ホーム9番線。同じ島式ホーム対面に並ぶ8番線ともども全線高架化完成時点で廃止される運命にある。
さて、そんな万代口駅舎撤去工事の仮囲いに「ありがとう万代口駅舎」と銘打って歴史年表を添えた思い出写真展の大プレートが展示されている。

大プレートが掲出されている場所を写真3枚上の左ポスター内で示すと「仮万代口改札工事中」の赤文字の下あたりになる。
現在は東(新発田・新津)寄りに掲出している。とりあえず2020年11月11日までの掲出とのことだが、工事の進捗に伴って移動してもよいから、全線高架化まではどこかには設置していただきたいものだ。
なので、新潟駅へお越しの際に時間があったなら、ぜひとも鑑賞することをお勧めしておきたい。
とは言え行けない人へむけて、この大プレートの全貌をお見せしてしまおう。

タイトル部分。
記念写真撮影コーナーもある。
1904年(明治37年)~1982年。
1982年~2023年。

バスセンターのカレーは2020年9月18日にリニューアルオープンしている

新在乗換や万代口駅舎の話題ではないが、新潟駅周辺整備事業完成後に万代シティバスセンターがどうなるのか気になる人も居るかと思うので、姉妹サイトのBusfan.jpに以前書いた「バスセンターのカレー」ネタを、せっかくなのでココに転載させていただく。

新潟交通に詳しい方ならいまさらネタだが、新潟駅万代口バスターミナルと、「バスセンターのカレー」で有名な万代シティバスセンターは別モノになり、バスセンターの方は万代口から北西約600mの地点にある。
なので、バスセンターのカレーを提供している名物万代そばはこれからも同じ場所で営業を続けるので、バスセンターのカレーファンの方は心配するなかれ。
なお、この名物万代そばだが、入っている建物の耐震補強のため店舗を2020年6月22日(月)から一時移転していたが、2020年9月19日(金)より元の場所に戻りリニューアルオープンしている。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。