鉄道・軌道の営業路線で曲線半径日本一の急カーブを訪ねる

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[場所]豊橋鉄道東田本線(市内線) 井原停留場

愛知県の豊橋鉄道東田本線(市内線) 井原電停 から運動公園前電停方面へ分岐する線路の曲線は半径11m(R11)の急カーブで、鉄道・軌道の営業路線としては日本一の急曲線なことは、当サイトの読者ならご存知と思う。なのでネタとしてはイマサラだが、先日に豊橋を別件で訪れた際に、午後からのスケジュールが空いたので、それならとそんなカーブを眺めてきた。なので、せっかくだからこの場を拝借して紹介させていただくことにした。

左が運動公園前電停方。電車はモ780形787。台車の角度に注目。
井原電停は豊橋駅前の「駅前」電停から東へ4.1kmの距離にある停留場で、ココの駅前電停行上りホーム手前(東側/赤岩口・運動公園前方)にある分岐器により、旧くからの直線定位側の赤岩口電停方面と、反位側の運動公園前電停方面が分岐して、反位側の運動公園前方面が南へ直角にカーブ向きを変えるのだが、この先、駅前電停方から見て分岐器直後のカーブが鉄道・軌道の営業路線で日本一の急曲線になる。
まずは井原電停交差点の北西側より、駅前電停方から到着した電車が運動公園前電停方へ曲がっていく光景を眺めていこう。

左が運動公園電停方で、井原電停の上りホーム前を通過する運動公園前電停行。電車はモ780形786。
分岐器を渡り、前の台車がいよいよ日本一の急カーブへと入る。
後ろの台車も日本一の急カーブへと入る。
日本一の急カーブまっただ中。
モ780形の右に見えるのが運動公園前電停方面の下りホーム。
架線も見所の一つと言えようか。
そして井原電停運動公園前方面ホームに到着。
次は、運動公園前電停方から駅前電停方へと曲がっていく光景を、交差点北東方より眺めていこう。

井原電停交差点の北東側からで、手前の線路は赤岩口方面で、左が赤岩口電停方、右が駅前電停方。駅前行上り電車モ780形は井原電停運動公園前方面ホームを通過する。
同じ北東からで、急カーブまっただ中。この台車の角度が見モノ。
そして交差点南東方から眺めた急曲線の全景がコチラ。

そして、井原電停の駅前電停方面ホームに到着する。実は井原電停交差点南東側よりの撮影で、運良く信号が変わったので横断歩道を渡って位置を移動している。
なお、このカーブは台車が車体枠の外へハミ出るほどの急曲線のため超低床車T1000形「ほっトラム」はこのカーブを曲がれないため運動公園前方面へは入線不可となっている。

T1000形「ほっトラム」。駅前-駅前大通
では、車内からの後方展望にてこの急曲線を眺めていこう。

駅前電停方。
運動公園前電停方。
運動公園前電停方。分岐器の反位側曲線よりも急曲線の方がカーブがきついのが見て取れる。
この半径11m(R11)の急曲線は1982年7月31日に井原電停-運動公園前電停 間0.6kmが開通した時に誕生した。路面電車の線路としては比較的新しい時代の敷設となる。

■井原停留場のホーム配置を眺める
井原電停のホーム配置は分岐点なため変則的なのでココで紹介しておく。
まずは、上り駅前電停方面のりば。

手前が駅前電停行ホームで、奥(東方)は赤岩口電停行ホーム。
上写真の横断歩道の位置からの駅前電停方(西向き)の眺め。電車はモ780形781。
駅前電停方面のりばの案内板。
次は、赤岩口電停方面のりば。

左手前(西方)が駅前電停行上りホームの電停名標で、右奥(東方)は赤岩口電停行下りホーム。
赤岩口電停行のりばの案内板。
そして、運動公園前電停方面。

左が赤岩口電停行ホーム。右が運動公園前電停行ホーム。
運動公園前電停行のりばの案内板。

■運動公園前電停の線路終端
路面電車の軌道の線路終端部がとんなスタイルになっているのか、見てみたい方がいるかも知れないので、せっかくだから車内から撮った線路終端部の写真も載せておこう。

運動公園前電停の線路終端部(南方)をモ780形781車内から眺めたトコロ。
豊橋鉄道市内線(東田本線)時刻表・路線図URL
https://www.toyotetsu.com/shinaisen/timetable.html

鉄道線で急カーブ日本一はドコ?

井原電停の運動公園前電停方カーブは軌道路線も含めた急曲線日本一だが、それならば鉄道路線で急曲線日本一はドコなのか? 気になっている人もいると思う。それは江ノ電 江ノ島-腰越 間の龍口寺前にあって、曲線半径28m(R28)にカーブになる。
ココは2021年夏に「#江ノ電自転車ニキ」で一躍有名な場所になってしまったので、写真を見たい方はその#で検索していただくこととして、コチラではこの地点のもぉ一つの名物である、その急カーブ脇に建つ「江ノ電もなか」の店頭写真の掲載に留めさせていただく。

江ノ電もなかの店頭に飾られている江ノ電600形651は、1990年4月28日付にて除籍された車輛で、その前は東急80形として玉電→世田谷線で活躍していた。
江ノ電もなかURL
www.shonanportsite.jp/oogiya/oogiya.htm

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。