ノーズ可動式分岐器が間近に見られるスポットが東急線に出現

鉄道旅を一層たのしくする車窓・施設案内シリーズです。
[場所] 東急電鉄東横線 祐天寺駅
東急電鉄では新線に切り替えられる際にノーズ可動式分岐器(ポイント)が一部ではあるが採用されつつあり、東横線 田園調布駅・菊名駅、大井町線 自由が丘駅、田園都市線 高津駅・あざみ野駅などにすでに設置されている。しかしこれらは高架や築堤、切り通し部分や、地平でも通常は動くことがなかったりといった位置にあるため、可動シーンを間近で見るにはかなりつらかった。ところが、ノーズ可動式分岐器の可動シーンを間近に見られるスポットが東横線に間もなく出現する。それは、祐天寺駅で、この駅では2017年3月供用開始予定で通過線を新設する工事が進められているが、その分岐器にノーズ可動式が採用されるからだ。

下り線プラットホーム横浜寄りからの横浜方の分岐器部分の眺め。分岐の直線側にもガードレールが取り付けられているのに注目。
下り線プラットホーム横浜寄りからの横浜方の分岐器部分の眺め。分岐の直線側にもガードレールが取り付けられているのに注目。
上り線 プラットホーム横浜寄りからの横浜方の分岐器部分の眺め。中線が上り本線になるのが想像できる。
上り線 プラットホーム横浜寄りからの横浜方の分岐器部分の眺め。中線が上り本線になるのが想像できる。

当サイト2015年6月9日にアップした、在来線で「身近に見られるノーズ可動ポイント」の記事(←その記事はここをクリック)で京浜急行電鉄 生麦駅を紹介させていただいたが、東急電鉄の方を紹介しなかったのも上記の理由により、アップの写真がなかったからになる。
なお、ノーズ可動式分岐器とは何か? については、そちらの京浜急行電鉄の記事を読んでいただければと思う。

下り線プラットホーム渋谷寄りからの渋谷方の眺め。こちら側は、ノーズ可動式分岐器の可動シーンは、やや見づらいかなと思う。
下り線プラットホーム渋谷寄りからの渋谷方の眺め。こちら側は、ノーズ可動式分岐器の可動シーンは、やや見づらいかなと思う。

設置工事中の分岐器を眺める限りでは通過線は上り列車主体に使用するように見受けられるが、下り本線と通過線の間に渡り線(シングルクロス)が2箇所設置されるため、時間帯によっては通過線を下り列車の通過追い抜き線に使用するのかも知れない。
なにはともあれ、ノーズ部分の可動シーンが間近に見られる場所ができるのは楽しいことだ。
写真はすべて2016年10月に撮影。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。