大井川本線家山-川根温泉笹間渡間運転再開など大鉄の話題

不通区間の一部開通は2023年10月1日…この日だけの特別ダイヤで運行!?

[場所]大井川鐵道 大井川本線

SL動態保存運転の老舗 大井川鐵道は、2022年(令和4年)9月23日深夜~24日未明に台風15号により大井川鐵道沿線に降った大雨の被害で家山-千頭 間の線路が不通になっていて、家山-千頭 間はバスによる代行運転になっている。この不通区間のうち、家山-川根温泉笹間渡 間が2023年10月1日(日)にいよいよ運転を再開し、普通電車は朝から運転を開始する。 
なお、10月1日以後からは家山-千頭間の大井川鐵道によるバス代行運転は、コレに代わり川根本町が運行するコミュニティバスが結ぶことになる。同バスの運行時刻・運賃・停留所は下記URLにて。
https://www.town.kawanehon.shizuoka.jp/material/files/group/18/senzuieyamasen.pdf

川根温泉笹間渡-抜里 間を走るEL牽引客車列車。実際はコチラ側(川根温泉笹間渡方)にはSLが連結される。それとこの列車では後補機のELが連結されていないのでイメージ写真。タイトル写真も川根温泉笹間渡-抜里 間で、ELはコチラ側(金谷方)に連結する。ただし後補機のSLが連結されていないのでやはりイメージ。画像ともに:大井川鐵道
さて、そのような状況もあって、2023年夏~においては「SL急行かわね路」号は、とりあえず9月30日(土)までは運転区間を新金谷-家山間に短縮した運行になっているが、10月2日からは家山駅の2つ先の川根温泉笹間渡駅まで運転区間が延長される。

神尾-福用 間を走る上りSL急行列車。後補機のELが連結されていないのでイメージ。
さらに、午前に新金谷-家山間にSL急行南アルプス1号(下り)・EL急行南アルプス2号(上り)が設定され、観光列車(いわゆるSL・EL急行)の本数の益々の充実が図られる。
これにより川根温泉まで鉄道線のみでも行けるようになり、温泉が目的の鉄道利用者にとっては利便性が向上する。

大井川鐵道川根温泉ホテル外観。画像:大井川鐵道
川根温泉ホテルの露天風呂。画像:大井川鐵道
ちなみに「きかんしゃトーマス号」が走る区間は、いままで通りの新金谷→家山→新金谷の往復遊覧運転のママになっている。

きかんしゃトーマス号は新金谷→家山→新金谷往復遊覧運転のママ。秋の運行ではこのヘッドマークは掲げられていないのでイメージ。神尾-福用
2023年10月1日改正の大井川鐵道の時刻表を以下に掲載しておこう。

図表:大井川鐵道
図表:大井川鐵道
上の時刻表を見て気がついた方も多いと思うが、それは下り急行列車はすべてSL牽引なのは解るとして、上り急行列車は急行南アルプス2号と急行かわね路2号はEL牽引になっている点。コレは川根温泉笹間渡駅が単線棒線駅なので機関車の機回し付け替えができないため、同駅まで往路←本務機SL+客車+補機ELの編成でやってきた下り列車は、復路ではそのまま→補機SL+客車+本務機ELの編成で上り列車になるからで、列車名が本務機基準で付されているのでこのようになる。と、ココまではだいたいの人は解っているだろう。
では、もぉ1つの不思議。下り急行かわね路3号はSL牽引の川根温泉笹間渡行なのにナゼ上り急行かわね路4号は家山駅発で、それもSL牽引になっているのだろうか?という点。
その謎のヒントは川根温泉笹間渡駅15:05発上り快速6002レに隠されている。この列車は実は下りSL急行かわね路3号の返しで、上りは→補機SL+客車+本務機ELの編成で家山駅まで行き、ココで機関車を機回し付け替えをしてSLが逆機の本務機になり列車番号も変わり上りSL急行かわね路4号となって新金谷へと向かう。よく考えられた無駄が無いダイヤなのである。

SL逆機(バック運転)の例。次位補機のELが連結されていないのでイメージ。福用-大和田

家山-川根温泉笹間渡運転再開日の10月1日は特別ダイヤ!?

大井川鐵道のHP内「2023年10月SL運転・空席情報」https://daitetsu.jp/sl/schedule?doing_wp_cron=1694606820.7114350795745849609375を見ると「10/1日」の空席情報欄のマスがすべて「-」になっていることに気がつく。
どぉしてこのような表記になっているのか、気になる方も多いであろう。それはズバリ10月1日(日)にはツアー専用の「ナイトトレイン」の時刻までSL・EL牽引の客車列車の運転がないからになる。だから「-」なんだろ…と、言われてしまえばその通りなのだが(笑)。
10月1日に運行されるナイトトレインの編成は、「川根温泉笹間渡←C10SL+客車×3+E32EL→金谷・新金谷」で、ツアーの概要は下表の通り。

表内のURLからはリンクしていないので、アクセスは下記URLにて。図表:大井川鐵道
https://daitetsu.jp/
ナイトトレインの金谷・新金谷方に連結されるE32号ELと同形のE31形E34号。地名駅(現在不通区間)
再度記すが、10月1日(日)一部運転再開初日に、普通電車は朝から通常ダイヤで走っている点を申し添えておく。

ゆるキャン△×大井川鐵道 千頭駅限定企画を実施

話題が大井川本線の本来の終着駅&井川線の始発駅 千頭駅 に翔ぶが、2023年9月15日(金)〜11月5日(日)間に「ゆるキャン△」とのタイアップイベント『なでしこ!\今年も/リンちゃんと3人でキャンプに行くよ!!ゆるキャン△×大井川』が静岡県川根本町まちづくり観光協会の主催により開催される。このイベントに連動して、大井川鐵道では千頭駅において「ゆるキャン△×大井川鐵道」の新商品の販売とお買い物購入特典プレゼントの限定企画を実施する。
新商品とお買い物購入特典は下記になる。

ナップザック  ©あfろ/芳文社 画像:大井川鐵道
ブランケット ©あfろ/芳文社 画像:大井川鐵道
図表:大井川鐵道
シェラカップ ©あfろ/芳文社 画像:大井川鐵道
図表:大井川鐵道
上の図表内にも記されているが、数量限定のため、グッズ・プレゼント品ともになくなり次第終了いたします…とのことだ。

大井川鐵道の当イベントURL。
https://daitetsu.jp/archives/180010

※2023年9月15日18時筆者追記:ナップザック・ブランケットともに、発売初日にして想定をはるかに上回る皆様にお買い求めいただいたため、翌日2023年16日には欠品してしまうことが予想されるとのこと。追加の入荷は2023年10月中旬頃の予定とのことです。
決まりましたら、コチラに追記いたします。

※2023年10月27日筆者追記:ナップザック・ブランケットともに、10月中旬に追加入荷されました。購入は上記と同じく千頭駅限定になります。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。


[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。