JR山手線10号車の屋根は他号車の屋根とナゼ異なる!?

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[場所]JR山手線

東京のJR山手線は11両編成が組まれていることは皆さんご存知だろう。そしてE235系で運行されているのも当サイトの読者なら解っていると思う。
さて、この山手線の11両のE235系だが、10号車の屋根に違和感を感じた人が少なからず居るのではないだろうか。ではナゼ他車と異なっているのか、探ってみた。

山手線E235系は11両編成なのはご存知の通り。そして内回りでは前から2両目が10号車になる。恵比寿にて。
その2両目10号車の円周外側のアップ。原宿にて。
上の写真の編成の向きは…山手線なので表現しづらいが、東京総合車両センター(山手電車区)基準に見ると、入出場(大崎駅)側が1号車で、車止め側が11号車。したがって 大崎-池袋 間では南側が11号車になる。ということで、屋根が異なる10号車はその南側の次位に居る。

内回りの円周内側から。前が11号車。恵比寿にて。
こちらは外回りになるが10号車の上写真との同じ向きからのアップ。左の連結面とドアの間の窓が2つあることに、とりあえず注目。恵比寿にて。
屋根がどうして異なったのか。賢明な読者の方ならもぅお気づきと思うが、先代のE231系500番台時代には当初この位置に6扉車が連結されていた。しかし、ホームドア設置の関係から6扉車サハE230形500番台が、新製された4扉サハE231形4600番台へと2002年1月~2005年4月の間に置き換えられた。
このE231系500番台は後の2017年~2020年1月20日に10両編成化されて中央・総武緩行線へ転属したわけだが、その時に比較的新しいE231系4600番台を抜いて、これをE235系4600番台へと改造して山手線の10号車に組み込まれた。それが現在の姿になる。
ちなみに山手線E231系500番台時代には、もぅ1両の6扉車サハE230形500番台も7号車に居たが、こちらは新製の4扉車サハE230形600番台に置き換えられて、その後に中央・総武緩行線へと転用する際に10両編成の一員として組み込まれたまま転属している。

10号車を円周内側9号車方から眺めたトコロ。こちら側はドアと連結面の間の窓はひとつ。恵比寿にて。
10号車を円周外側9号車方から眺めたトコロ。代々木にて。
なお山手線10号車は他の山手線の中間車にはない特長を備えている。
それは窓の位置なのだが、11号車寄りに窓が1つ追加されている。
これは 田端-(東京)-田町 間で京浜東北線と線路を共用するときにホームドアの位置を揃えるためと言われている。

■ある意味の異端車2両
普通に考えると、山手線がE231系500番台からE235系に置き換えられる時にサハE231形4600番台(サハE235形4600番台)の両数は足りていたハズなのだが、ナゼかサハE235形500番台なるサハE235形4600番台と窓配置が同じ2両が新製されている。どぅしてなのかは話しが長くなるので省略するが、ある意味、こちらの新製車の方が異端車というのも面白い。

前から2両目にサハE235形500番台を組み込んだ第05編成の円周内側からの眺め。恵比寿にて。
その円周内側11号車方からのアップ。恵比寿にて。
ちなみに異端車(笑)サハE235形500番台が組み込まれている編成は第04編成と第05編成になる。

第05編成の円周外側からの眺め。原宿にて。
その円周外側11号車方からのアップ。窓配置がサハE235形4600番台と同じなのが判る。原宿にて。
ここからは筆者の憶測になるが、一見サハE235形500番台を新製したのは無駄に思えるが、いずれE235系を他線へ転属する時期には10両編成にするだろうから、やはりサハE235形500番台を抜くことが考えられる。その際にこの窓配置ならクハ(制御客車)化改造にも対応させやすく無駄にならないのだろうな…という先読みが垣間見える。

2021年10月23日・24日に山手線一部終日運休の話題

このタイミングで山手線のネタをどうして記事にしたのか。たまたまだが(笑)、アップ日の10日後の2021年10月23日(土)・24日(日)に山手線内回り 池袋→新宿→大崎 間が終日運休するので、その便乗に過ぎない。それではココでお知らせのポスターを紹介しておこう。

山手線の一部が、2021年10月23日(土)・24(日)に終日運休するのを伝えるポスター。
10月23・24日の終日運休は渋谷駅の山手線内回りのプラットホーム幅を広げる工事による計画運休になる。この2日間の工事はSTEP3で、まだSTEP4とSTEP5が残されている。
詳しくは下記URLから。
https://www.jreast.co.jp/press/2021/tokyo/20210719_to01.pdf
とはいえ、この件のニュース的なことは他のウェブサイトでも間近になれば盛んに報道されるだろうから、当サイトでは工事直前の渋谷駅の様子を山手貨物線(埼京線・湘南新宿ライン)のプラットホームから眺めた光景のみお届けするに留めよう。

渋谷駅内回り新線部分の池袋寄りには建機軌陸車が待機。
大崎寄りから眺めると、軌陸車はクローラー・ラフタークレーンなのが解る。
さらに大崎寄りにも建機軌陸車が2両。
大崎寄りから眺めると、軌陸車はパワーショベルのアタッチメント交換なのが解った。
もっと大崎寄りからの池袋方で、新線部分には架線がすでに張られている。
上の場所の大崎方の眺め。
運休日でも工事の様子は湘南新宿ライン・埼京線のプラットホームから眺められるが、列車が増発され普段より危険度が増すためウカウカ眺めていられないと思うので、当日には湘南新宿ライン・埼京線のプラットホームからの工事の見学はお勧めしない。

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。