不定期連載 終着駅と界隈探訪…山口県仙崎駅・後篇

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仙崎駅の駅前通りは金子みすゞサンの詩が並ぶ

[場所]JR山陰本線仙崎支線 仙崎駅

終着駅の駅ナカや駅近を訪ねる不定期シリーズです

終着駅と界隈探訪シリーズ前回の「山口県仙崎駅・前篇」では、JR山陰本線仙崎支線仙崎駅と金子みすゞ記念館を訪ねたが、この回はその後篇になる。ということで前篇の中でサワリとして、仙崎駅駅前広場~金子みすゞ記念館を結ぶ「みすゞ通り」に建ち並ぶ商店や民家数軒の軒先や塀に金子みすゞサン の詩を書いたプレートが飾られている云々を記したが、後篇はそれらを抜粋で紹介をしていこう。

左が 金子みすゞ記念館 で北側からの眺め。右の道路は みすゞ通り で、奥(南)の約300m先の彼方にあるのは、タイトル写真にもなっている仙崎駅駅舎。
金子みすゞサン は1903年(明治36年)に仙崎で生まれた。そんな彼女が童謡を書き始めたのは20歳の頃からで、4つの雑誌に投稿した作品の、そのすべてが掲載されるというデビューを飾り、大正後期の、童話童謡雑誌が次々と創刊された日本の童謡隆盛期に童謡詩人として彗星のようにあらわれる。しかし、26歳の若さでこの世を去り、彼女の残した作品は散逸し、いつしか「幻の童謡詩人」と語り継がれるようになっていた。それから半世紀、長い年月埋もれていた みすゞサン の作品は、児童文学者の矢崎節夫氏により、世に送りだされた。
その 金子みすゞサン の出身地の鉄道駅である仙崎駅前から北に延びる「みすゞ通り」の沿道には、みすゞサン の詩を書いたプレート掲げられていることは前篇で記しているし、その中で みすゞサン の詩を書いたプレートも少し紹介しているが、こちらでは一挙に羅列していこう。
なお、ココに掲載している詩のプレート類は掲出されている中の一部なことを申し添えておく。

わたしと小鳥とすずと 詩:金子みすゞ
星とたんぽぽ 詩:金子みすゞ
大漁 詩:金子みすゞ
空の鯉 詩:金子みすゞ
魚賣りの小母さんに 詩:金子みすゞ
波の子守唄 詩:金子みすゞ
積もった雪 詩:金子みすゞ
左・お正月と月 詩:金子みすゞ、右・早春 詩:金子みすゞ
左・さくらの木 詩:金子みすゞ、右・学校へゆくみち 詩:金子みすゞ
左・早春 詩:金子みすゞ、中・薔薇の根 詩:金子みすゞ、右・大漁 詩:金子みすゞ
郵便局の椿 詩:金子みすゞ
郵便局の前に「郵便局の椿」の詩を掲げるとは、このストレートな発想には、いやはや何とも。まぁ感服させていただいた。

七夕のころ 詩:金子みすゞ
蜂と神様 詩:金子みすゞ
左・鯨捕り 詩:金子みすゞ、右・こころ 詩:金子みすゞ
おはじき 詩:金子みすゞ
ふしぎ 詩:金子みすゞ
白いぼうし 詩:金子みすゞ
月日貝 詩:金子みすゞ
弁天島 詩:金子みすゞ
みすゞ通りを、詩のプレートを眺めながら歩いていると、地元出身の童謡詩人 金子みすゞサン へ想いを寄せる沿道の皆さんの一体感が伝わってきて微笑ましい。
仙崎駅の記事の写真は、やはりこの詩で締めたい。

こだまでしょうか 詩:金子みすゞ
何やかや、みすゞ記念館とみすゞ通り散策するとなると、やはり少なくても2時間は必要かなと思う。ところが列車の時刻表を見ると仙崎支線 長門市-仙崎 間は日中約4時間間隔だったり、到着しても10分前後で折返してしまうし、○○のはなしでも33分しか停まらないし(2020年夏基準)で、鉄道利用ではかなり不便になっている。


鉄道系サイトとしてはあまり書きたくないが…バス利用なら 長門市-仙崎 間は日中1時間あたり約2本あるので、活用したい(汗)。

金子みすゞ記念館
開館時間:9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:12月29日~1月1日
入館料:一般/350円、小中高校生/150円、
     他に団体料金や4館共通券もある。
https://www.city.nagato.yamaguchi.jp/site/misuzu/

ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。

[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。