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[場所]養老鉄道養老線 石津-美濃山崎
天井川の鉄道隧道の中でも掘削トンネルを
特に限定で訪ねる不定期シリーズです
中京地区を走る養老線は1つの路線名で呼ばれているが、実質的には岐阜県の大垣駅を境にして、桑名-大垣 と 揖斐-大垣 間では運用が分かれており、別の線路と言っても過言ではないだろう。ところで、この養老線の桑名側には天井川の掘削隧道が3本(水無川も含めれば4本?)ある。
ということで、南(桑名)側から順に、本回ではまず 石津-美濃山崎 間に掘られた天井川トンネルの「般若谷川隧道」を紹介しよう。
天井川については、以前の2016年1月6日アップ「日本で最初に作られた鉄道トンネル石屋川隧道を訪ねてみた」の記事中でも説明しているので詳細はそちらに譲るが、まぁ、地平レベルより水面が高い河川と言えば理解していただけるだろう。
さて、この般若谷川隧道を訪ねるには石津駅からが便利で、北(大垣)方700mくらいの所にある。
まずは石津方の坑門を見てみよう。
上々写真右の坂道の先に川面がある。
次は、この道を登って、どんな河川が流れているのか、眺めていこう。
余談になるが、養老線と並行する国道258号も、般若谷川をトンネルでくぐっている。
この道路トンネルは「般若谷トンネル」という名称で「川」の字がない。なので、谷にトンネル!?と、よーく考えると変だが、上に河川が流れているから、それが「谷」なんだなと考えれば不思議ではなくなる(笑)。なので、これ以上考えてはいけない。
では川面から北(大垣)側に斜面を下りて、大垣方の坑門を見にいこう。
般若谷川トンネルは川幅(土手を含む)よりも倍くらい長い。そんな特徴を加味して眺めていて感づいたことだが、このトンネルは天井川隧道と言っても間違いではないが、とちらかと言えば扇状地をくぐるトンネルなのではないか、ということ。
まぁしかしコレは実際に現地を訪れなければ気づかない地形であり、河川の下を貫いた隧道なことは事実なので、シリーズの仲間に加えさせていただいた。
天井川をくぐる掘削隧道は、ココを除いて国内に前回1本と、あと5本(水無川を除く)を確認している。その「あと5本」がドコなのか? 折りを見てぼちぼち記事にしていくので、楽しみにしてていただけたら幸いだ。
ここに掲載の内容はアップ日時点の情報になります。その後に状況の変化や、変更があった場合にはご容赦ください。
[寄稿者プロフィール]
秋本敏行: のりものカメラマン
1959年生まれ。鉄道ダイヤ情報〔弘済出版社(当時)〕の1981年冬号から1988年までカメラマン・チームの一員として参加。1983年の季刊化や1987年の月刊化にも関わる。その後に旧車系の自動車雑誌やバイク雑誌の編集長などを経て、2012年よりフリー。最近の著書にKindle版『ヒマラヤの先を目指した遥かなる路線バスの旅』〔三共グラフィック〕などがある。日本国内の鉄道・軌道の旅客営業路線全線を完乗している。